フロンティアNo.5

幡谷原太はたや げんたさん(29)礼彗のりえさん(26)

グルテンフリーお米のパン工房穂鹿 天栄村牧之内日向久保
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自然の中で2人の試行錯誤
 「自分たちの手で一から」

 今年4月に原太さんの故郷である天栄村に戻り、商品の本格販売に向け準備を進めている。「自分たちの手で一から作ったものを、自分たちの手で販売したい」と試作を重ねるのは小麦粉や添加物を一切使わない、体に優しい米のパンとお菓子。近々ネット販売を始めるという。
 夢が芽生えたきっかけの一つは原太さんの両親だった。天栄村に移住し、夫婦の力で自給自足の生活を確立させ、幡谷自然農園を営む姿を間近で見てきた。
 原太さんは福島大の大学院を修了後、静岡県の医療機器メーカーに就職したが、思いは膨らみ続け、昨年から本格的に製品の試作を始めた。栄養士の資格を持つ礼彗さんも、アレルギーを気にせず、子どもたちに食べさせられる製品づくりに意欲的だった。
 試作品は200品を超え、研究のように条件を変えながら試行錯誤を続けた。そんな折、幡谷自然農園のすぐ近くにある家が空くと耳にした。渡りに船とばかりにUターンを決め、村での暮らしをスタートさせた。村内でも山側に位置し、携帯電話の電波も通じないが、のどかさや静けさなど街なかにはない自由な環境を楽しんでいる。
 今後は食パンやマフィンなどをネット販売するほか、様々なマルシェに出店し、直接ユーザーのニーズを聞き出し、製品の完成度を高める。また今は両親の米を使っているが、稲作を始め農業にも取り組み、100%自分たちの力で完結するものづくりを目指す。
 2人の趣味はランニングで、「将来はランニングとマルシェを合わせた自主イベントなどもしたい」と語った。

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