雲水峯大橋左岸で行われた仮堤防と土のう設置
須賀川市と福島河川国道事務所は25日、雲水峯大橋左岸を通行止めして、水害被害防止を目的とした仮堤防設置訓練を行った。重機により全高約150㌢のコンクリート製L型遮水壁と大量の巨大土のう袋を約1時間半かけて仮堤防を設置した。
一昨年10月の台風19号では雲水峯大橋から浜尾地区に阿武隈川からの越水が流れ込み、深刻な水害被害をもたらした。
同様の台風接近があった場合に、阿武隈川から市道への越水流れ込みを防ぐために、左岸市道を本堤と同じ高さの仮堤防を設置し、土のうで補強して万全を期していく。
設置訓練は本格的な出水期前の昨年8月に実施予定をしていたが、猛暑による熱中症予防のため中止し、準備を整えて今回の実施となった。河川国道事務所職員によると、今後は本番を想定した形での設置訓練を複数回繰り返す考えを示した。
雲水峯大橋は訓練開始の正午から全面通行止めとなり、橋本克也市長や市議らも見学に訪れ、担当職員が設置に向けた手順や目的などを説明した。
今回の仮堤防設置訓練は概ね予定通りに進行したが、本番では重機や作業員の手配など諸課題もあり、訓練は約1時間半で設置完了した作業も倍の約3時間近くかかるのではと河川国道事務所も見ている。
今後は訓練を繰り返すことで、設置までの所要時間短縮だけでなく、台風接近の危険性が高まった状況で、仮堤防設置を始める適切なタイミングの見極めが課題にあげられる。
今回の訓練に使ったL字型大型コンクリート仮堤防と巨大土のうは雲水峯大橋左手の仮置き場に常時保管し、一朝有事に常に備えていく。