当初予算を説明する遠藤町長
鏡石町の遠藤栄作町長は26日、町役場で令和3年度当初予算を記者発表し、一般会計は63億円(前年度比6億1100万円、10・7%増)で新型コロナ対策や第5次総合計画最終年度の総仕上げなどで各種事業を展開すると説明した。
冒頭で遠藤町長は「新型コロナ対策は引き続き全力で最優先に進め、福島県沖地震からの復旧も人命第一に取り組む。第5次総合計画総仕上げとなる事業促進と次期計画を意識した新たな事業なども進める。人口減少の克服と地方創生に向け『通勤に便利で住むにも快適、子育てしやすい環境を備えた定住の町』を将来像に、町民一人ひとりが幸せを実感でき、笑顔あふれるまちづくりを着実に進めるための予算措置を行った」と説明した。
主な事業として新型コロナ感染症対策事業は予算総額6575万3000円。ワクチン接種事業は6007万4000円で、3月中に接種に必要となるクーポンを町民に配布し、4月以降に集団接種は鳥見山体育館で行うほか、個別接種も行う予定(個人負担はない)。
子育て支援関係は予算総額1510万2000円。母子保健事業は妊婦一般健康診査を20週、産後2週間健康診査を補助するほか、産前産後に家庭ヘルパーを派遣し、家事などの負担を軽減する。また母子電子手帳アプリ「ボシモ」を導入し、予防接種通知や子どもの成長を記録に残せるサービスを始める。
進化する鏡石実行プロジェクトは予算総額6813万3000円。駅東口整備事業は実施設計など2590万円。新婚生活支援事業は39歳以下(年収計540万円未満)の新婚世帯が住宅購入や賃貸住宅に移り住むための費用を上限30万円まで補助する。若者定住促進奨学金返還支援事業は、卒業後町に定住し、町内で勤務する30歳未満を対象に、最大5年間、上限10万円補助する。
第5次総合計画に基づく行政分野施策のうち、東京2020オリンピック大会記念事業は大型スクリーンでマラソン競技を中継し、子どもたちが同距離を走ることでオリンピックを疑似体験する。予算は184万5000円。
健康福祉センター整備事業は造成工事を行った駅東地区に令和4年度の完成を目指し、建築工事関係で5億7113万円を計上した。
防災対策として今年度中にドローン2台を導入し、新年度は操作講習会を消防団員と町職員を対象に行う。また2年前の台風19号も踏まえ、全町的なハザードマップの更新事業、消防団員の活動服更新なども行う。
岡ノ内幼稚園に新たに備える認定こども園整備に2億6373万6000円を計上し、令和4年4月の開園を目指す。
営農支援として自走式草刈機の購入費3分の1、上限10万円を補助する。水稲から高収益作物への転換に取り組む農業者への整備費用支援でビニールハウスなど栽培設備の3分の1、上限100万円、洗浄機など生産用機械購入に3分の1、上限5万円補助する。
第5次上水道拡張事業は令和4年10月の通水を目指し、新浄水場の建設工事を16億3550万円で進める。
新年度予算は3月4日から開かれる町議会で議論する。