11日に藤沼湖決壊の慰霊碑完成慰霊碑除幕式


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    藤沼湖の決壊慰霊碑

 東日本大震災による藤沼湖決壊からまもなく10年。決壊に伴う記憶と経験、教訓を風化させずに伝えようと、藤沼湖決壊による慰霊碑建立実行委員会(柏村國博委員長)は、11日午前10時から滝防災公園で「慰霊碑完成除幕式」を挙行する。終了後は「大震災と藤沼湖の記憶をつなぐつどい2021」を開く。
 慰霊碑は昨年12月、川内村産白御影石と簀の子川から採取した自然石を使用して関根石材店が製作し、1月26日に完成した。高さ約2㍍、幅9㍍、奥行き3㍍あり、ダム決壊を後世に伝えるため銘板には事故の経緯と遺族の承諾が得られた犠牲者6人の名前を刻んだ。
 除幕式会場となる滝防災公園は藤沼決壊の濁流が直撃し、貴い人命と家屋を複数押し流した現場でもある。
 除幕式は慰霊碑建立実行委員と決壊事故で命を落とした5人の遺族と橋本克也市長、五十嵐伸市議会議長、森清道被災者の会長、加藤和記大震災と藤沼湖の記憶をつなぐつどい実行委員長ら15人が引き綱を務める。
 犠牲者の冥福を願い1分間の黙とうをささげ、柏村実行委員長、遺族代表の小針義男さんがあいさつする。
 藤沼湖決壊の記憶を語り継ぐ活動に取り組む若き語り部五十嵐夏菜さん(長沼高2年)が研究発表を披露する。
 終了後は「記憶をつなぐつどい」に移り、出席者が順次慰霊碑に献花をささげる。
 藤沼湖決壊事故は東本大震災による震度6の強烈で長時間の揺れが本堤と副堤を襲い、約150万㌧の貯水が多くの樹木を巻き込んだ鉄砲水となって下流域に流れ込んだ。震災発生から約20分後に決壊が始まり、夕方まで長沼各地を濁流が襲ったとされる。
 多くの家屋が流出全壊、大規模半壊、半壊などの被害を受けたほか、山林や田畑にも深刻な打撃を与え、滝・北町地区で7人の貴い命が奪われ、今も1人が行方不明のままになっている。

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