路面に15カ所「横断者注意」の文字


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    「横断者注意」 の文字でドライバーに注意を促す

 須賀川土木事務所は松明通りを含む須賀川三春線など6路線の横断歩道15カ所の路面に「横断者注意」の文言を白字で書き、ドライバーに注意を促している。昨年は交通死亡事故が市内で7件と多発し、交通事故防止意識が改めて問われる1年だった。関係機関・団体はコロナ禍で啓発活動も制限される中でも可能な範囲で安全運転を呼びかけ、事故のない地域づくりを目指している。
 県中土木事務所は地元や警察の要望に応え、国道118号線、国道294号線、須賀川三春線、須賀川二本松線、古殿須賀川線、安積長沼線の6路線にある横断歩道に「横断者注意」の文字を記す工事を今月中に完了させる。
 須賀川署は横断歩道における歩行者の優先を「運転者の義務」とする認識の欠如をただすため、令和元年7月から毎月1日の「交通事故ゼロ・歩行者優先の日」と15日の「シルバー交通安全の日」を横断歩行者妨害摘発強化日として、交通取締りの強化と広報啓発活動を実施し、運転者に「歩行者ファースト」の考えを指導している。
 昨年1年間の人身事故106件のうち、横断歩道で歩行者が巻き込まれた事故が9件発生し、9人がケガを追った。
 2年前には横断歩行者が犠牲となる死亡事故が2件立て続けに発生したほか、交通ルールを守り横断歩道を渡る小学生が不注意な運転者によりケガを負うなどの事故も発生している。
 横断歩道を渡ろうとする歩行者がいた場合に無視して車を走行させると横断歩行者等妨害違反として罰せられる。基礎点数2点の違反行為で、大型車1万2000円、普通車9000円、二輪車7000円、小型特殊自動車と原動機付自転車6000円の反則金が発生する。
 交通関係団体などの広報活動や警察の取り締まり強化により、以前に比べるとドライバーの意識にも改善はみられるが、未だに歩行者を無視する車も少なくない。
 横断歩道の前後にはひし形の道路標示があり、ドライバーに注意を促してきたが、今回「横断者注意」の文言が加えられたことでさらなる安全意識の高揚を目指す。
 4月からは新入学児童が慣れない道を歩き、道路に飛び出す危険性も増えるため、ドライバーは一層の注意が必要となる。