東日本大震災の記憶と復興10年の感謝を国際宇宙ステーションから配信する「東北復興宇宙ミッション2021」は、11日午前0時から野口聡一宇宙飛行士による「宇宙から世界へ、ありがとう」の動画を公開する。
一般社団法人ワンアース(長谷川洋一代表理事)が震災被災東北3県(岩手・宮城・福島)の自治体にミッション参加を呼びかけ、須賀川市を含む42自治体が震災の記憶と復興のイメージを伝える写真、記念品、感謝の言葉を2月にNASAのロケットで宇宙ステーションに届けた。
須賀川市は昨年8月に須賀川三小6年の横山廣太朗君と柏倉桂裕君、須賀川三中2年の松谷恵那さん、3年の小沢俊介君が須賀川牡丹園で採取した牡丹種と4人のメッセージなどを託した。
野口さんによる動画撮影は2月25日午後8時頃行われ、約7㍍の横断幕をバックに各地から寄せられた「世界への感謝のメッセージ」を読み上げた。復興各地の10年間の画像、子どもたちによる横断幕制作風景、復興応援ソングの演奏や歌声なども織り交ぜる。
ラフマニノフの弟子でもある、ピアニストのルース・スレンチェスカさん(95)=アメリカ=が東北復興10年のために特別演奏した音源も流れる。
東北復興宇宙ミッション「宇宙から世界へ、ありがとう」動画は、少なくとも10日までにYouTubeに限定公開モードでアップロードし、11日に日付が替わると同時に公開モードに切り替わり視聴できるようになる。
11日午後2時から長谷川代表理事が川俣町の福田小で、宇宙横断幕を縫製した児童たちと一緒に動画を観賞する。
なお須賀川から宇宙に打ち上げられた牡丹種は今年6月に地球帰還予定で、市には7月頃戻ってくる。
須賀川牡丹園はこの種を「宇宙から帰ってきた牡丹」として種から大事に栽培し、用意が整い次第園内で公開する。採取に参加した4人の児童生徒らが成人を迎える4・5年後には大輪の花が楽しめる見込み。