県内初のマイナカードによる保険資格確認 公立岩瀬病院で

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    医事課職員によるデモンストレーション披露

 公立岩瀬病院は17日からマイナンバーカードを使った「オンライン資格確認」プレ運用を始めた。医療機関や薬局で保険資格の確認ができる仕組みで、オペレーターがシステム入力するのでなく、患者自身が専用のカードリーダーにカードをかざすことで手続きが完了する。県内で運用されるのは同病院が初めてとなる。
 導入当初は救急入り口のほか南棟(産婦人科病棟)、外来棟正面入り口の3カ所に配置する。
 専用のカードリーダーにマイナンバーカードのICチップを読み込ませるだけで、顔認証(マスク着用のままで可)による本人確認、保険証との紐付けなどが短時間で手軽にできるようになる。
 オンライン資格確認により①資格過誤によるレセプト返戻の作業削減②保険証入力の手間削減③来院前に事前確認できる一括紹介④限度額適用認定証等の連携⑤薬剤情報・特定健診情報の閲覧ができる⑥災害などの緊急時に薬剤情報・特定健診情報の閲覧ができるなどのメリットがある。
 このうち限度額適用認定証は患者が保険者へ申請しなければ発行されなかったが、オンライン資格確認により申請がなくても、限度額情報を取得でき、限度額以上の医療費を窓口で支払う必要がなくなる。
 また災害時には薬を家に置いてきてしまった、避難所で飲みきってしまった、かかりつけ医以外のところで受診するなどの場合にもスムーズに手続きを進められる。
 オンライン資格確認の使い方は、病院窓口などに設置された専用のカードリーダーにマイナンバーカードをかざすだけ。所要時間はわずか数分で医療保険資格の確認が終わる。
 大きな課題としてはマイナンバーカード交付枚数率が低いことがあげられ、2月1日現在の交付率は全国で25・2%、県内21・4%、須賀川・岩瀬・石川地方1市6町3村18・4%にとどまっている。
 オンライン資格確認は今後のデータヘルスの基盤となる予定で、手術・移植・透析・医療機関名、電子処方箋の仕組みや薬剤情報共有のリアルタイム化、生活保護受給者の医療券などにも順次対象が広がっていく。
 同病院では17日のプレ運用に合わせて、医事課職員がカードリーダー操作のデモンストレーションを行い、三浦純一院長がシステムの利便性や利用促進を呼びかけた。
 今月下旬から全国の医療機関や薬局で稼働予定しているが、15日現在で運用開始機関は同病院を含む15施設(病院11、クリニック4)のみ。プレ運用は本格運用前のテストに位置づけられ、患者の協力を得ながらデータの正確性やシステムの安定性、窓口業務の事務処理状況を確認する。