天栄村榮林寺が150年ぶり本堂再建

地域振興

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    約150年ぶりの再建を祝う出席者たち

 天栄村指定文化財の薬師如来座像、脇侍二菩薩立像を収める上松本の榮林寺本堂は慶応3年(1867年)の火災により失われていたが、村の宝を後世に伝えたいと願う檀家たちの強い思いにより、約150年ぶりに再建された。
 榮林寺の開基の由来は定かでないが、村によると黒子千明寺の末寺だったとされる。幾多の変遷を経て、白河永蔵寺の末寺引直しとなり、現在は横山大山住職が務める。
 薬師如来座像は熊野三社権現本地恵心僧都正作といわれ、寄木作り、玉眼入りの穏やかな表情で、脇仏の日光・月光菩薩ととも大切にされてきた。
 約150年前の火災で本堂が失われてからは、焼け残った庫裡で保管してきたが、施設老朽化のため檀家たちは取り壊しの決断を迫られた。
 それでも座像などを収める場所を地元に残すため、10年前に検討委員会を発足し、本堂再建に向け意見を交わし続けた。
 その後、いよいよ工事を進めていくため3年前に建設委員会を発足し、檀家約110戸で資金を寄せ合い、木造平屋28・56平方㍍の本堂を完成させた。
 落慶法要と落慶式は14日に行われ、檀家や関係者約50人が約150年ぶりの再建を祝った。
 神尾忠建設委員長があいさつし、天台宗宗議会議員の中村周常永蔵寺住職が祝辞、横山住職が謝辞を述べた。
 神尾委員長は「この本堂で薬師如来座像などの村の宝を末永く後世に伝えていきたい。今後は仏像の修繕に向け、また檀家で力を合わせていく」と述べた。