東京2020オリンピックにつなげる聖火リレーは27日、日本陸上界の英雄・円谷幸吉選手の誕生の地である須賀川市を14人のランナーが駆け抜けた。沿道には真っ赤に染まる情熱のサルビアが飾られ、須賀川高、須賀川桐陽高の生徒がその鉢を持って57年前の「サルビアの道」を再現した。
ランナーたちは沿道に手を振り、満面の笑顔を見せながらスポーツの喜びを体現している様子だった。その瞬間はあっという間だったが、スポーツの力、大きな目標に向かい進むこと、みんなで盛り上がれる催しの大切さなどを感じたと一様に口をそろえる。
沿道には円谷選手の大学時代の同期であり、君原健二さんの友人でもある高松常太郎さん(83)=大宮=、神立修司さん(78)=横浜=らも駆けつけ、横断幕でエールを送った。「感動で胸がいっぱい。円谷君に、『聖火リレーやっているよ』と心の中で伝えた」と話す。
円谷選手の実兄喜久造さんも観覧し、走り終えた君原さんと「これを機会にオリンピックまで盛り上がってほしい」と話したという。
また走行後、君原さんは円谷ランナーズの子どもたちに「人間に与えられた、最大の力は努力です」というサイン色紙を渡し、激励した。