公病の新年度の医師体制計36人

医療

  • 画像
    新年度医師体制や予算など報告を受けた議会

 公立岩瀬病院(宗形充企業長)企業団3月議会は29日、同院大会議室で開かれた。新年度の医師体制は初期臨床研修医5人と常勤医師31人の計36人体制となり、診療科は外科と整形外科1人ずつ、初期臨床研修医2人の新規受け入れを予定している。
 病院使用料及び手数料条例の一部改正、新年度病院会計予算など議案4件を審議し原案通り可決した。
 宗形企業長は病院事業概要について新型コロナウイルス感染対策、常勤医師体制、今年度事業などを報告した。
 県中地域唯一の第2種感染症病床指定医療期間として、昨年1月の国内コロナ感染陽性患者発生時から役割を担ってきた。
 県内各地でのクラスター発生報告を受け、院内感染を防ぐため、家族との面会を長期にわたり制限してきたが、寄付を活用してアイパッドなどを利用したリモート面会運用をスタートした。
 コロナ対策という新たな疾患に向き合う緊張状態の中で、職員はそれぞれの業務に当たるが、医療従事者を応援する様々な支援や励ましのメッセージなどが多数届き、「職員は大変勇気づけられ、この場を借りて皆様の支援に感謝します」と述べた。
 PCR検査などを行う「地域外来」機能を同院敷地内で4月から運営するため建屋設置工事を進めている。月・水・金の午後1時から3時まで運営し、それ以外の時間は同院が行政検体採取や発熱患者診療などに有効活用する。
 常勤医師は今年度が初期臨床研修医9人と常勤医師30人の39人体制から、新年度は初期臨床研修医5人と常勤医師31人の36人となる。非常勤医師の診療日を増加させるなど、さらなる診療体制充実を図っていく。
 引き続き常勤医師招へいについて、県立医大への派遣要請と合わせて、県外の大学病院などにも働きかけるなど積極的に展開する。
 今年度の病院事業(2月末時点)は、入院患者数5万6574人(前年同期比1万2359人減)、外来患者7万7029人(8043人減)で、医業収益は6億円規模の減収を想定している。
 新型コロナの影響が顕著に現れた患者数減であり、感染症病床を運営するための稼働病床数減少や緊急事態宣言下での受診控えによる影響が大きい。
 新年度予算も感染症の影響が一定程度続くと想定し、入院患者数は7万1905人(病床稼働率70・6%、1日あたり197人見込み)、外来患者数は9万4380人(1日あたり390人)。今年度の診療単価は予算を上回る実績であり、入院単価を4万9500円、外来単価1万4500円と引き上げ、病院事業収益は62億5975万円余(5億545万円余、7・47%減)とした。
 安定した医療提供を継続するために必要な人件費や企業債元利償還、減価償却費などを計上し支出は67億9685万円余で5億3710万円余の支出超過予算を計上した。
 新年度も感染症病床運営に係る補助金などの継続した支援を希望するだけでなく、「困難な状況下にあっても、病床稼働率向上や複雑性の高い専門領域診療強化などに向け、病院運営の改善・改革に取り組みながら、将来を見据えた病院経営の安定化を目指す」と述べた。