今夏「震災復興アーカイブ」

地域振興行政

 須賀川市は全市的に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から10年の節目を迎えるにあたり、市民協働のもとで復旧・復興から新たな未来へ歩み続ける「須賀川のまち」の姿を写真や映像で振り返り紹介する「震災復興アーカイブ事業」を行う。
 主な事業内容は①アーカイブ映像の制作②記録誌「創造的復興の歩み」概要版作成③市民交流センターtette・各公民館での展示企画―の3点で、今夏を目処に完成させ、配布・公開を目指す。
 アーカイブ映像の制作は、市の今の映像と震災以降の写真などを素材とした記録映像として後世に記憶と教訓を残す。震災時の写真と現在の映像を対比できる構成で、ドローンを活用した上空からみた須賀川市の撮影などを計画している。
 「創造的復興の歩み」概要版はA4版カラー8ページを予定し、復興計画を推進してきたこれまでの経過について、写真を中心に記録としてまとめる。完成した概要版は市民に読んでもらいたいと全戸配布する。
 tetteや全公民館での展示事業は、アーカイブ映像や震災当時と現在とを比較できる写真を紹介し、復興に向けて歩んできた市を広く市民と共有できる機会を提供する。tetteは市内全域、公民館は地域ごとを対象エリアに展示内容を替える。
 東日本大震災は平成23年3月11日午後2時46分、須賀川市を含む東北3県を中心に最大震度6強の強烈な揺れが襲い、多くの建物やインフラに深刻な被害を与えたほか、藤沼湖決壊、東京電力原子力発電所事故なども合わせて発生した。
 市が平成25年3月に発行した「須賀川市東日本大震災の記録~あの日を忘れないために」がまとめた被害状況では、人的被害は藤沼湖決壊による行方不明者1人、死者10人(いわきで発生した土砂災害被害者含む)の計11人。家屋被害は全壊1249、大規模半壊418、半壊3085、一部損壊1万5770の計1万5322件、公共施設も多数の被害を受けたが、中でも旧市役所と総合福祉センターは主体構造躯体(壁・柱)に致命的な被害を受け解体を余儀なくされた。
 道路や水道などインフラにも大きな被害を被り、市民生活に大きな暗い影を落とした、町内会・行政区を中心とした協働の輪を市民が自主的に広げ、官民がともに手を取り合って復旧・復興に向けて歩み続けて、現在は発展期の次のステージへと進んでいる。

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