大岡さんの腕に乗るミーちゃん
須賀川市小中地区在住の団体職員が飼っているアカオノスリ(タカの一種)の「ミーちゃん」が、地域の害鳥除けに効果を発揮している。
満開の見頃を迎えている横田御殿桜は連日多くの観覧者が足を運んでいるが、代々サクラの世話をしてきた大岡清一さんは長年、自宅裏の林のカラスの害に悩まされてきた。
特にこれからの時期は子育てのために巣作りがピークを迎え、早朝のけたたましいカラスの鳴き声や屋根の上で遊ぶ騒音が悩みのタネとなっていた。
大岡さんの知人にあたる団体職員が飼育するノスリによる害鳥除けを提案し、昨年3月から数回にわたって試したところ効果が発揮された。
実際にノスリを空に飛ばせることはしないが、大岡さんの腕に止まらせ、姿と匂いのみでカラスが近くに寄って来なくなり、自宅周辺からカラスの姿が減り、騒音などにも悩まされなくなったという。
今年2月から始め、さくら紀行スタンプラリー初日の3日は4回目の害鳥除けを行った。
夕方になると林にカラスが集まり始めるが、大岡さんがノスリを腕に止まらせると周辺を避けるように飛び、その後も集まって騒ぐことはなかった。
大岡さんは「ミーちゃんには本当に助かっています。今後も協力をいただいて、来年以降もサクラを多くの皆さんに楽しんでもらいたい」と話す。
ノスリのミーちゃんは5月で2歳を迎え、羽を広げると最大1・4㍍程度になる。これからの季節は換毛期にあたり、茶色の美しい羽が羽ばたくたびに波が打つように見られる。
団体職員は「あくまでも大岡さんは知人であり、桜守としての活動に協力しているだけ、害鳥除けを専門に行っている訳ではなく、ミーちゃんを育てているのはあくまでも飼育の一環に過ぎない」と強調していた。