須賀川市立博物館企画展「日展と院展」27日から

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    角田磐谷の二曲一隻屏風「あさつゆ」

 須賀川市立博物館の春季企画展「日展と院展・須賀川ゆかりの作家たち」は27日から41日間開かれ、須賀川が誇る画家・須田珙中や旧長沼町の二瓶大三、石川町出身で戦後に牡丹園近くのアトリエを拠点にした角田磐谷らをはじめとする当地に関わり深い作家の遺した名作約30点が展示される。
 同館は昨年に開館50周年を迎え、記念事業として県内で33年ぶりとなる「春の院展」巡回展を実施した。
 今回の企画展はその前段として昨年予定していたが、新型コロナの影響で延期を余儀なくされ、1年越しの開催となる。
 日展は日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5つの部門からなる総合美術展、院展は日本美術院が主催運営する日本画の公募展覧会でいずれも国内最高峰の作品が集まる。
 企画展では「牡丹の磐谷」が昭和初期に描き、西洋の文化・芸術に対抗できる日本芸術を目指した「あさつゆ」(二曲一隻屏風)、「牡丹画の名手」松尾敏男が江戸時代の技法を用いながら現代の革新の理念で描いた「朝霞」(平成16年、六曲一隻屏風)など、牡丹園を愛した2人の時代を越えた競演も見どころの一つ。
 また晩年の珙中が一つの到達点として描き、院展最後の出展作となった「禽と獣」(昭和38年、額装、縦1・8㍍、横3・6㍍)も収蔵後初公開する。
 そのほか二本松市収蔵の二瓶大三「高原の夕」、磐谷とともに福陽美術会で活躍した県内出身の荻生天泉や太田秋民らの絵画、須賀川出身で日展を中心に活躍した彫刻家・佐藤義重、県内出身の柳沼曹雲らの彫刻なども展示する。
 会期中の催しとして同館学芸員のギャラリートークを5月8日午前11時から予定しており、定員20人を4月15日から電話で受け付ける。
 なお、国際博物館の日の5月18日は無料開館日となる。
 開館時間は午前9時から午後5時まで。観覧料は大人200円、大学・高校生100円、中学生以下・65歳以上、障がい者手帳を持つ人は無料。
 問い合わせは同館(℡75―3239)まで。