事故現場を確認する関係者たち
16日に須賀川市茶畑町で発生した交通死亡事故を受け、交通関係機関・団体は20日に現場点検で改善案を出し合い、運転前に体調をチェックすることや適切な水分補給、休憩をとるなど注意喚起する対策等を話し合った。
事故は茶畑町地内の古殿須賀川線の見通しの良い片道2車線の直線で、普通車が横山工業団地方面に向け進行中、対向車線にはみ出し、対向してきた大型トラックと正面衝突した。普通車運転の男性(83)が死亡、後部席の同乗者(82)も骨折などのケガを負った。詳しい原因は調査中だが、運転者が何らかの体調不良に陥っていた可能性もあるものとみられる。
現場点検は須賀川土木事務所、市交通安全対策協議会、須賀川地区交通三団体、県警本部交通事故分析対策班、須賀川署の計14人が出席した。
現場の状況を確認後、「警察署などで行う高齢者の安全運転相談の周知や活用を呼びかける」「市が昨年から実施している70歳以上高齢者が免許を自主返納した際に公共交通利用券1万円分を交付する支援事業の広報に取り組む」「会社でも朝礼の際に健康状態の確認など行う」など意見を出し合った。
県内では運転中の体調不良が原因と思われる事故が今年に入って15件発生しており、昨年の13件を既に上回っている。また高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故も現在まで9件と、昨年1年間の6件を超えており、十分な注意が必要となる。
また須賀川署管内では昨年、運転中に体調不良で死亡したケースが2件あった。基礎疾患は高血圧のみで、死亡者が60代と50代の2人であったことから、高齢でなくても突然の病で命を失う危険性はあるものとして、運転前に兆候を見逃さないこと、水分補給、休憩を適切にとることなど、誰もが注意しなければならない。