教え子や故郷への想いを語ったシイちゃん(右)
南相馬市出身で現在は甲府市であんみつ屋を営むプロ歌手「シイちゃん」こと網倉志津子さんは1日、須賀川コミュニティラジオウルトラFMに生出演し、故郷や震災への思いを語り、持ち歌を披露した。
網倉さんは南相馬市で30年近く幼稚園や小学校などで教べんを取り、夫の定年に合わせて早期退職した。甲府市へは震災1年前の2010年に移住した。
南相馬市の一部は震災と東京電力福島第一原発事故で避難指示区域になり、網倉さんも家族5人の元に向かい、すぐさま笛吹市に避難した。
プロ歌手デビューのきっかけは店の常連客がいつの間にか応募したNHKのど自慢に出演し、「涙の連絡船」を歌い見事カネ3つの合格に輝いた。
デビューの話が舞い込むと婚約者を津波で失った教え子らの思いを込めた「好きなのに」、故郷を失った想いを歌詞にした「それでも ふるさとに」の2曲を作詞し、歌手で音楽事務所社長の有明一朗さんが作曲した。
今でも定期的に福島に戻ってくる網倉さんは前日30日に南相馬市を訪ね、甲府市に戻る道すがら、知人を会してウルトラFMへの生出演が決まった。
ウルトラFMではパーソナリティーのT.T.スズーキーさんや松明家五老介さんらが共演し、2曲に込めた鎮魂の祈りや感謝の気持ち、教え子への思いなどを語った。
番組では婚約者を失った教え子の想いを歌詞に込めた「好きなのに」を流し、ふるさとと亡父らへのメッセージ「それでもふるさとに」を生歌で披露した。