桔槹吟社「牡丹俳句大会」市内外から444の投句

文化

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    認知症についての講話を真剣に聴く俳句愛好者ら
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    牡丹俳句大会賞を受賞した西山さん

 俳句のまち須賀川を代表する俳句結社・桔槹吟社(森川光郎代表)の牡丹俳句大会は9日、市内外から同人や愛好者ら50人以上が参加しtetteで開かれ、大賞に西山逢美さん(いわき)の「もうひとり知らぬ子が来て子猫抱く」が、阿武隈時報社賞には水野滋子さん(福島)の「白牡丹活けて仏間のあらたまる」が選ばれた。
 牡丹が見頃を迎える時期に須賀川俳壇の継承とその人的育成、地域文化活動の振興を図ることを目的に、中央俳壇で活躍する講師らを迎え毎年講演会を開いている。
 江藤文子同人会長が「コロナ禍の中、開催できたことをうれしく思います」と同人や愛好者らに感謝した。
 講師の福島市在住、県現代俳句協会長で医師の春日石疼(せきとう)さんが「俳句と認知症~その理解と予防~」をテーマに講話した。
 主にアルツハイマー型認知症の軽度、中等度、重度の説明や家族が詠んだ俳句をもとにクイズなどを出題した。認知症患者が詠んだ俳句のほか、俳句と認知症予防の結びつきも紹介し、出席者らは真剣に聴き入っていた。
 俳句大会には市内外から444句が寄せられ、講師の春日さんや森川代表ら桔槹主要同人らが選者を務めた。
 須賀川・岩瀬地方の特別賞は次の通り(住所が市内の場合は市名省略)
 ▽大賞=西山逢美(いわき)「もうひとり知らぬ子が来て子猫抱く」▽市長賞=西牧トキ子(鏡石)「卆業歌ポプラ並木の空へ抜け」▽県俳句連盟賞=佐藤健則「春寒し瓦礫置場の三面鏡」▽俳人協会県支部賞=石山たま江「恋は一途に菠薐草シャキシャキ」▽福島民報社賞=金子秀子「春祭遠く見てゐる艀の子」▽福島民友新聞社賞=石山たま江「父の背に陽の射してゐる彼岸道」▽須賀川商工会議所会頭賞=内山ケイ「ふつくらと豆腐の布目水ぬるむ」▽須賀川信用金庫賞=丹治道子「庫裡裏に束子干さるる花祭」、塩田和子(鏡石)「夢入れて鞄の重き一年生」、江藤文子「春がゆく離れてあそぶことに慣れ」▽マメタイムス社賞=岩本恵美子「寒の水漬物石を一つ足す」▽阿武隈時報社賞=水野滋子(福島)「白牡丹活けて仏間のあらたまる」▽ウルトラFM賞=佐藤皆夫「春めくや納屋の農具を揺り起こす」▽桔槹吟社賞=伏見良子「少年の満員と書く巣箱かな」、金子秀子「竹の幹打ち合ふ春のうねりかな」、永瀬十悟「花散るやダム湖の底へ続く道」、久保悦子「草に名を与へて歩く春野かな」

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