釈迦堂川橋―西川橋間堤防の補強工事実施へ

行政

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    堤防をかさ上げする釈迦堂川沿い

 県中建設事務所は須賀川市の釈迦堂川橋から西川橋まで約790㍍の堤防について改良工事を実施する。2年前の台風19号豪雨災害で越水した水位を解析し、同等の水位を防げる高さ(最大65㌢)までかさ上げし、地域の防災力強化を図る。
 計画は現在入札を行っているところで、6月下旬頃までに業者を選定し、工期は259日間、約9カ月での完成を目指す。
 2年前の台風19号は市内に大きな被害を及ぼした。釈迦堂川で最大6・77㍍(氾らん危険水位5・70㍍)を観測し、越水や内水氾らんにより館取町に住む2人の貴い命が奪われた。また丸田町、館取町、茶畑町では多くの家屋が床下・床上浸水による被害を受け、やむを得ず移り住む選択を選んだ家庭も少なくない。
 これらの被害が二度と起こらないよう、住民一丸となって要望活動や防災の取り組みを進めるため「安全で安心して暮らせる町づくりの会」(鈴木重会長)を同年12月に発足し、市とともに国・県に堤防の改良や護岸強化などの改良復旧等を要請してきた。
 それによりこれまでも須賀川土木事務所は昨年7月、釈迦堂川橋から西川新橋までの南側堤防約410㍍に高さ約1㍍の土のうを設置するなど防災対策に結びついてきたが、今回の堤防補強工事は大きな前進となることが期待される。
 また市は現在、館取町地内で雨水を釈迦堂川に排水するためのポンプゲート工事を進めており、令和4年度までの完了を予定している。
 さらに西川中央公園再整備事業として、公園を2㍍掘り下げ湛水区域とすることで、万が一ポンプで排水しきれない大雨があっても、避難までの十分な時間を確保できるよう計画を進める。
 公園再整備は住民参加の第1回ワークショップを今年2月に開き、可能な限り住民の要望を反映できるよう声を集めている。
 第2回は30日午後1時から、労働福祉会館で開き、前回の意見を反映した案を市が提示しながら公園の利活用についてさらに意見を深める。
 また席上で県中建設事務所が堤防のかさ上げについて説明する予定だが、新型コロナの状況によっては説明を見送る。

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