新型コロナの収束を願い玉張りをする従業員たち
須賀川市矢沢、糸井火工(糸井秀一代表取締役社長)は打ち上げ花火最終行程の玉張りに追われている。仕上がった花火玉には新型コロナの収束や医療従事者への気持ちを込めて「感謝」「希望」「悪疫退散」などのメッセージを書き込んでいる。
同社は明治6年の創業以来、芸術性の高い花火を製作、県内はもちろん全国で花火を打ち上げている。
例年、3号(6㌢)から10号(30㌢)で年間約4万発、そのほかに創作花火、20号(60㌢)などを製造している。常に技術の向上を図り1年かけて美しい花火作りに精を出しているが、昨年は新型コロナの影響でほとんどの花火大会が中止となり約1割程度まで落ち込んだ。
今年は観覧対象を地域住民に絞った小規模の花火大会での打ち上げが7月下旬から予定されている。
花火玉の製造は1つの工程で1カ月以上かかるが、同社は従業員10人で作業している。花火の色合いを決める火薬の配合、色を作る星掛け、玉詰め、そして破裂時の圧力から玉の表面が均一になるようクラフト紙を張り着ける玉貼りの行程まで、ほとんどが手作業で行われる。
糸井社長は「気持ちを込めて文字をしたため、花火を見る人に元気と希望を届けたい」とコロナ収束を願いながら作業に励んでいる。