3年ぶりの開催へ前向きに話し合う委員たち
須賀川市の第39回円谷幸吉メモリアルマラソン大会の第1回実行委員会は27日、須賀川アリーナで開かれ、2年前の台風19号豪雨災害、昨年のコロナ禍で余儀なくされた中止を乗り越え、3年ぶりの開催に向け安全、安心な実施形態について意見を交わした。今回は参加対象を市民に限定し、「須賀川市民とともに円谷幸吉をつなぐ」をコンセプトに掲げ、10月17日の開催を目指す。
大会は57年前の東京オリンピックマラソン競技で銅メダルをつかんだ郷土の英雄・円谷選手の偉業をたたえ、第2の円谷選手育成を目指し昭和58年から始まった。
以降、数多くの選手が健脚を競い、東京オリンピック2020男子1万㍍に出場内定した相澤晃選手(旭化成)やライバル阿部弘輝選手(住友電工)、女子のホープ古寺冴佳選手(三井住友海上)らもこの大会を経験している。
2年前、台風19号の被害により初の中止となり、昨年も新型コロナによって断念した。
今年は未だに新型コロナで県内も多くの人が不安を抱えている状況ではあるが、ワクチン接種も徐々に進んでおり、開催予定の10月には状況の改善も期待されること、さらに円谷選手の名を冠し、市内最大のスポーツイベントとして市民の健康増進と次代を担うランナーを輩出してきた大会を、市民限定に規模を縮小して開催し、来年の40回記念大会につなげる。
実行委員会は委員ら約20人が出席し、大木和彦委員長は「2年続けて中止となったが、今年こそ本コンセプトのもと開催し、円谷選手の意志をつないで盛り上げたい」と実施に向けて決意を語った。
コース全体はこれまでと同じく須賀川アリーナをスタート・ゴールに行う予定だが、部門や距離は調整を進めている。6月中旬頃までに募集要項などを固め、大会ホームページなどで公表する。
安全な大会運営のため、一般からのボランティア募集はせず、当日は関係団体を中心に誘導など行う。また会場やコース上の飲食物提供はせず、表彰式も行わない。スタートは密にならないよう、部門によっては複数回に分けて号砲する。
出席した委員からは「オリンピックイヤーであり、こういう状況だからこそ知恵を出し合って開催を目指したい」「大変ではあるが実現させ、歴史に残る大会にしたい」と3年ぶりの実施へ熱い思いを乗せた意見が出された。