稲田学園 ランドセルの海外寄贈に向けトマトの苗植え

地域振興農業

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    心を込めて苗を植える児童たち

 稲田学園(小貫崇明校長)の6年生34人は31日、プランターにトマトの苗を植え、児童発案による「海外に自分たちのランドセルを贈る」プロジェクトの第一歩を踏み出した。
 今年4月から義務教育校となった同校は総合的な学習の時間で、色々な体験を通し、なりたい自分を見つけ、大好きな故郷に出会う「いなだスタディ」を実践している。
 6年生は「海外支援でランドセルを贈りたい」という児童のアイデアをできる限り自分たちの力で実現するため、地元企業ジェイラップの協力のもと進める。
 自分たちで育てたトマトをドライ加工してもらい、学校祭「秋華祭」やflattoで販売する。その資金で神奈川県にある慈善団体にランドセルを送付し、同団体からアフガニスタンに届ける。
 プロジェクトの第一歩にあたる苗植えはジェイラップの伊藤俊彦会長らを講師に迎え、トマトの植え方を学んだ。
 児童たちはプランターに手作りの名札を付け、手で穴を掘って丈夫に育つよう願いながら1人1苗植えた。
 発案者の岩崎成吾君は、昨年度同校を卒業した姉の由佳子さんが個人的な慈善活動で実践したランドセルによる海外支援を見習い「自分たちも力になりたい」と送付団体や送料などを調べ、クラスに発表した。「賛成してくれる意見もたくさんありましたが、実際にできるかどうか不安もありました」と振り返る。
 方法を家庭でも相談するよう呼びかけたところ、ジェイラップが手を上げ、現実的な計画が示された。「トマトを育てる話が出ると、クラスのみんなも乗り気になってくれました。自分の思いつきから、みんなが関わる大きな取り組みになり、とても感謝しています。美味しいトマトを作って、稲田をPRできたらうれしいです」と目を輝かせる。
 また姉の由佳子さんも「こんなふうに広がってくれて、活動したかいがあった」と喜んでいるという。
 小貫校長は「これまで幼・小・中学校と地域の力を合わせて作った米を修学旅行先で販売するなどの活動や同じ校舎で間近に見る先輩を手本にする学校生活など、十分な下地が今回の活動に結びついた。本校の特徴を生かしながら、ここで学んでよかったと誇りに思えるようにしたい」と述べた。