須賀川・長沼両高校の統合新校、須賀川創英館高について、校歌・校章・制服は一新し、イメージチェンジを図る。森下陽一郎須賀川高校長が1日、地元新聞社に発表した。同窓会役員に対しては28日に説明し、理解を示す声もあったが、「校歌は残せなかったのか」と変えることを惜しむ声が多く聞かれた。
須賀川創英館高は来年4月に開校する。校歌や校章は昨年までも両高のワーキンググループなどで検討が進められてきたが、校名発表に対する大きな反発を受け、生徒やPTA、同窓会、地域の意見に耳を傾けながら再度方向性を検討していた。
森下校長は方針の決定について「114年の伝統を踏まえると、判断は非常に難しかった。しかし両校の新入生募集状況をみると1倍を切っており、より多くの生徒が入りたい学校として変えていく必要があった。だが地域の拠点校としての位置づけは変わらず、両校の遺伝子を引き継ぎながら生徒の伸びしろを引き出すアクティブ・ラーニングに取り組んでいきたい。また同窓会3万人の思いも背負っていく覚悟だ」と説明した。また夏目利江子長沼高校長も同じ思いとした。
校章はアンケート調査を生徒、職員、保護者らに実施するほか、学校ホームページを通じて同窓生からの意見も募る(https://sukagawa-h.fcs.ed.jp/)。6月末まで募集し、8月頃までには決定する。
校歌は候補に上がっている作詞・作曲家に対しコンタクトを取り、11月末頃から12月上旬頃までを目処に固める。可能であれば生徒や同窓生から歌詞に使用したい言葉を募りたいが、完成までの猶予期間が少ないため実現できない場合もある。
制服は現在業者を選定しているところで、今後イメージ図をもとに生徒会やPTAから意見を募る予定。なお現在両校に通う生徒は制服、ジャージ等を既存のまま使用できる。
教育課程は地域の未来を担う生徒を育てるため今後10年、20年耐えうるものを検討し、秋頃までに完成させる。
中学3年生に対する学校説明会は8日の長沼中を皮切りに、9月頃まで各校で実施する。
体験入学は7月29日に予定しており、学校パンフレットも間に合わせるよう制作を急ぐ。
なお両校間で当初予定していた統合前の部活動交流は移動手段の確保が困難なため断念した。今後、何らかの行事を通じて交流を図りたいとしている。
森下校長によると須賀川高生徒会から校章等への反発はなく、「どうしたら長沼の生徒と仲を深められるか、学校が変わることで生徒が困ることがないようにしたい」といった意見が出されている。
一方で宇津峰、阿武隈、緋牡丹など須賀川にふさわしい歌詞が並び、校名も入っていない現在の須賀川高校歌を残したかった同窓生からは落胆の声も多く、「気力を失った」などの言葉も聞かれた。