「須賀川特撮ツアー」延期に 円谷監督生誕120周年記念

イベント文化

 特撮を文化ととらえ後世に継承する活動を展開する須賀川市が加盟する「特撮文化推進事業実行委員会」(会長・橋本克也市長)はコロナ禍のため総会を書面決議した。当初は7月7日の「特撮の日」に合わせて、須賀川特撮ツアーなどを予定していたが、感染防止の観点から延期を決めた。実施時期は未定。
 今なお特撮の父として国内外に多くのファンを持つ故円谷英二監督の出身地であり、世界で唯一ウルトラマンの故郷M78星雲光の国と姉妹都市提携する本市が中心となり、日本映像界で世界を席巻する進化を遂げた特撮技術や作品を後世に伝えるべき「文化」として継承・普及活動に取り組む同委員会を県やNPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(庵野秀明理事長)、須賀川商工会議所など5団体で発足した。
 円谷監督をはじめとする関係者がアニメや特撮映像の創造と製造の過程で生み出した様々な中間制作物や資料が日々散逸し、永遠に失われ、それを止める術があまりに少ないのが現状にあり、それを何とかしたいと、様々な活動を通して普及・継承に取り組んでいる。
 今年は円谷監督生誕120周年の記念の年にあたることから、当初は今月に特撮全盛期の撮影状況や監督とのエピソードなどを関係者から聞き、動画や音声データ、文字として記録する「特撮レジェンドオーラル・ヒストリー」、7月に市内の監督ゆかりの地などを巡る「円谷英二監督生誕120周年記念 故郷須賀川特撮ツアー」を予定していたが、コロナ感染防止のため延期した。
 8月から9月にかけて、特撮背景画家で市内の特撮アーカイブセンター設立に多大な尽力をした島倉二千六さんのギャラリー展示とワークショップを予定している。
 島倉さんは雲の神様とも称され、当初は今年2月に予定していた。背景画ギャラリー展示と実演ワークショップを行う。
 また11月には県内を会場に特撮文化への理解促進を目的とした、「特撮ワークショップ」も計画している。
 なお市は今年度、シティプロモーションの取り組みとして、ともに須賀川市出身の円谷監督と1964東京五輪銅メダリストの円谷幸吉選手を顕彰する「二人の円谷」事業を展開し、7月7日の「特撮の日」に合わせて、2人を「須賀川名誉市民」に推戴し表彰する。