二階堂神社大ケヤキ1本 やむなく伐採

文化

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    伐採を前に執り行われた神事
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    大ケヤキから巨大な枝を伐採する作業

 樹齢350~400年とされる須賀川市天然記念物の二階堂神社左右にある大ケヤキ、拝殿向かって右側の樹木に樹勢の衰え倒木の恐れもあるため、神社を管理する宮先町内会(吉田勝昭会長)は伐採を決め、17日朝に神事を行い、作業は2~3日を見込み、早ければ18日中に完了する。
 戦国時代に須賀川を治めていた二階堂氏の居城須賀川城の跡地に建立された二階堂神社は、松明あかしの御神火奉受式会場となるなど、長年市民から信仰を集めている。
 大ケヤキは地元住民らからも「御神木」として親しまれていたが、東日本大震災で石垣が崩落、その影響で右側の樹勢が衰え始めた。
 数年前から直径1㍍近いウロが根元部分に出来、今年初めの樹木医の診断で、現在は根っこの1~2割しか生きていない状態であると診断された。
 同町内会では樹勢回復を願い、ワイヤーで固定し追肥など様々な方法を施してきた。福島県沖地震でも倒壊の恐れがあり、住家への影響を熟慮し伐採の結論を下した。
 17日は須田智博神炊館神社禰宜が神事を行い、町内会役員や近隣住民ら約20人が参列した。吉田会長は「なんとか頑張ってもらいたかったが…」、住民は「家を出るといつも2本のケヤキを見られた。この景色がなくなるのは寂しい」との声が聞かれた。
 作業は大型クレーン車でケヤキを固定し、2日間かけて残された拝殿左側のケヤキの枝落とし作業と並行しながら伐採する。
 なお左側のケヤキに電動ドリルで穴をあけるなどの痕跡が見られた(詳細は別記事)。