遊水地整備する成田地区
須賀川・岩瀬地方に未曾有の水害被害をもたらした東日本台風を受けた国の「阿武隈川緊急治水対策プロジェクト」は、鏡石、矢吹、玉川の2町1村に遊水地3カ所の整備を計画している。
3町村の氾濫しやすい地形特性を踏まえ、東日本台風規模の洪水に対応できる治水対策のため、3カ所で計300~400㌶の遊水地を整備し、下流域の洪水防御・調節を目指す。今年度から用地調査を実施、2023年度着工、28年度までに完成する。
これまでの浸水範囲を踏まえ、可能な限り治水容量を確保するため、遊水地内を掘削する必要があり、鏡石町成田地区の約70戸を含む計約150戸を全面買収する。区域の大半は田畑が占める。
鏡石町成田地区には第一遊水地を整備し、貯留水を周囲堤と囲繞堤(いぎょうてい)で囲み、排水樋門で水位を調整する。遊水地の整備工法は地質調査の結果などを踏まえて決定する。
福島河川国道事務所は3町村で地元説明会を開き、遊水地群整備事業の範囲などを提案し、住民と意見交換した。担当者は遊水地整備は、該当地域と下流域の居住地洪水被害軽減に必要であり、この地域の将来にとって最も効果的な洪水対策となるよう、具体的な計画を検討すると説明している。今後も相談会や説明会などを実施する。