7月24日から企画・テーマ展「災害と須賀川」 須賀川市立博物館

文化

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    服部躬治筆の磐梯山噴火の記録
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    麻疹はやる時節の事(遠藤家文書)

 須賀川市立博物館の企画展「乗り越える 災害と須賀川」とテーマ展「古文書からみた災害と須賀川」は7月24日から9月5日まで44日間、古くから多くの災害に見舞われながらも「自治のまち」として人々が知恵を出し合い、立ち向かってきた歴史を読み解く様々な史料を展示し、東日本大震災から10年目の節目に、またコロナ禍の今だからこそ先人の取り組みを振り返る。
 両展は共通する「災害と須賀川」をテーマに、同一会場で計約80点の史料を展示する。
 「乗り越える~」は古代から近現代にかけて当地を襲った地震、風水害、疫病、飢饉、火災などの災害に関して、「災害史」「痕跡」「記録」「行動」「祈り」の小テーマに即した史料を集めた。
 「災害史」は当地方の災害略年表と気候変動との関係等から災害の特色を読み解く。
 「痕跡」では東日本大震災時の藤沼ダム決壊後、多くの関係者が復旧に尽力した市文化財収蔵庫(北町収蔵庫)の調査資料なども並ぶ。
 飢饉の関連資料として、不作による年貢の減免願いや雨乞いの民謡、口減らしで子どもが犠牲にならないようにと内藤家が白河藩で初めて行った赤子養育金の制度なども紹介する。
 明治・大正期に活躍した歌人で国文学者の服部躬治が遺した「磐梯山噴火珍事竒聞」や昭和33年4月に発生した古戸大火の写真に当時の澤田三郎市長が「災厄は人智によって防ぐべし」と書いた資料なども並ぶ。
 また2年前の台風19号で被災後、須賀川地方広域消防本部から移した江戸時代の火事羽織や半てん、手押しポンプなども展示する。
 「古文書からみた~」は東北大東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門との共催で、同部門が再整理を進める当地方の近世古文書群から、災害に関連するものをピックアップする。
 主な展示は桑名家、小針家、廣田家、安藤家、内藤家の資料。
 会期中の催しは、7月31日に藤沼湖周辺を巡る「すかがわ歴史散策」を参加費300円で行う。
 野本禎司東北大助教を迎えた講演「廣田家文書から 水害と水争い(仮)」は8月7日午前10時半から、博物館学芸員によるギャラリートークは21日午前11時から開く。両企画は参加無料。
 いずれも申し込みは7月20日から受け付ける。
 開館時間は午前9時から午後5時まで。観覧料は大人200円、大学・高校生100円、中学生以下と65歳以上、障がい者手帳所持者は無料。
 8月1日の開館記念日、21日の県民の日は入館無料。
 なお同館はくん蒸処理のため、7日まで休館している。

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