iPadで課題に挑む子どもたちの様子を見学
天栄村総合教育会議は2日、大里小で開かれ、子どもたちがiPadを使って勉強する様子を見学し、ICT機器活用のメリットやフォローすべきポイントなどについて意見を交わした。
村は天栄版GIGAスクール構想を掲げ、ICT機器を活用しながら主体的に学び、自分の考えを相手に伝え、相手の考えを理解し、多様な人と協働して意見交換し、新たな価値を見出し、問題解決しようとする子どもの育成を目指している。
全小中学校で1人1台iPadを貸与し、調べ物学習や共同学習などでの活用を進める。また自宅での学習に使用できるよう、インターネット環境がない児童にはモバイルルーターを月2200円で貸し出している。
学習に必要なアプリケーションは各校に希望するものを導入し、試験的に運用している状況にある。
教育会議は添田勝幸村長と久保直紀教育長、教育委員、村職員ら約10人が出席した。
大里小ではデジタルドリル「やるKey」を導入し、各児童が自分の理解状況に合わせた問題に取り組んでいる。これにより課題につまずいても理解できるまで学ぶことができるほか、理解が早い児童はより進んだ内容に挑むことができる。
児童らはヘッドフォンでネイティブの英語を聴きながら、画面にタッチして問題に回答するなど慣れた様子で授業に臨み、出席者の関心を集めていた。
授業参観後、天栄版GIGAスクール構想で意見を交わした。
添田村長は「村では子どもたちに困難を乗り越える『生き抜く力』を身につけてほしいと願っており、そのために様々な体験を与えたい。天栄ならではのICT機器活用を進めながら、懸念される姿勢の悪化や字の書き方の指導など課題にも対応しつつ、体験にも力を入れたい」とした。
久保教育長は「デジタル教科書など、今後ICT機器活用の機会が増えるのは避けて通れない。だからこそネット犯罪やネットいじめなどから子どもたちを守るため、利益だけでなく不利益にもしっかり向き合い、対策を考えていきたい」と述べた。
委員からはセキュリティ面や遊びへの流用など心配の声も出されたが、貸与iPadは学習以外に使用できないよう機能制限するなど対策がとられている。
iPadは今後、オンライン授業や学校間オンライン交流、授業での課題や資料等の配布・提出などにも活かしていく予定。