通り初めの儀で貫通の喜びを分かち合う猪越部長(右)と添田村長
天栄村の牧之内と羽鳥を結ぶ鳳坂トンネルの貫通式は5日、坑内で行われ、延長2538㍍がつながったほか、猪股慶藏県土木部長が「鳳坂トンネル」が正式名称となったことを発表した。
トンネルは国道118号の交通の難所である鳳坂峠の走行距離を約3㌔短縮させる片側一車線で、最急縦断勾配は12%から4%に、最小曲線半径は10㍍から350㍍に改善する。供用開始は2020年代前半の予定で、トンネルを含む総延長3・4㌔を整備する。
貫通式は発注者である県の土木関係者や地元の天栄村、近隣市町村、地元選出県議、施工者ら約70人が出席した。
掘削機械によって貫通の儀が行われ、坑内に羽鳥側の光が差し込むと、出席者らは念願の貫通を拍手で祝福した。
発注者代表の猪越部長は「トンネル整備により安全で円滑な交通が確保され、地域住民の利便性向上、県の観光振興や地域産業の活性化、救急医療の向上につながると期待している。一日も早い供用開始に全力を尽くす」とあいさつした。
来賓の添田勝幸村長は「起工式から4年が経ち、この日を迎えられたことにこの上なく感動している。このトンネルはコロナ禍を照らす希望となる」と祝辞を述べ、施工者を代表して大林組の森田康夫執行役員東北支店長は「今後も万全を期して工事を進め、皆様の信望に応えたい」と謝辞を述べた。
通り初めの儀では猪越部長や添田村長、遠藤栄作鏡石町長、服部晃村議会議長、地元選出の宗方保県議、水野透県議らが貫通した現場の前で喜びを分かち合った。
そのほか地元の寿々乃井酒造、松崎酒造の酒樽を使った樽神輿や鏡開きなどが行われ、出席者一同の万歳三唱で記念すべき日を祝った。