昨年採取した須賀川の牡丹種
東日本大震災から10年。世界中から寄せられた支援と励ましに宇宙ステーションから感謝を伝えた「東北復興宇宙ミッション2021」で6月に打ち上げられた須賀川の牡丹種などが、無事地球に帰還した。検閲などを経て今月中に種は須賀川に戻り、牡丹園で発芽処置を行い、無事発芽してからのセレモニーを計画している。
震災10年を機に世界に感謝を伝えようと一般財団法人ワンアース(長谷川洋一代表理事)が呼びかけ、須賀川市をはじめ東北被災3県の51自治体が参加を表明した。
各自治体から様々な記念品や感謝のメッセージが寄せられ、日本時間6月4日にアメリカNASA宇宙センターから打ち上げた。翌日には無事国際宇宙ステーションに到達し、37日間にわたる宇宙滞在を終え、今月メキシコ湾に着水して地球に帰還した。
須賀川の牡丹種をはじめ記念品類は8月にかけてワンアースが参加自治体に返還し、それぞれの地域で震災ポスト10年の新たな起爆剤になることが期待される。
市は検閲を終えて帰還する牡丹種を牡丹園で発芽処置を施し、順調にいけば8月末から9月上旬頃、発芽に成功する見込み。
コロナ禍の状況を見定めながら、種の無事な帰還を祝うセレモニーを開き、将来的には「(仮称)宇宙牡丹」として大事に育て、牡丹園の新たな名物の一つにし、5・6年後からは花が楽しめると予想される。
「東北復興宇宙ミッション2021」は昨年7月に始動し、東北被災3県の自治体に協力を呼びかけた。
市は昨年8月に当時須賀川三小6年の柏倉圭裕君と横山廣太朗君、須賀川三中2年の松谷恵那さんと3年の小沢駿介君が代表して牡丹園で種を採取し、ほか約50自治体から集まった記念品とともにパック詰めされて補給船に搭載し宇宙ステーションに打ち上げられた。
震災から10年にあたる今年3月11日は宇宙ステーションから野口聡一宇宙飛行士が感謝の言葉を全世界に発信し、その動画をYoutubeなど配信サイトでも中継した。野口さんのバックには各自治体から寄せられた写真などを集めた約7㍍の特製横断幕が掲げられた。