2年連続の無観客開催を決めた実行委員会
須賀川晩秋の夜空を赤々と焦がす松明あかしは今年もコロナ禍のため、伝統行事の継承を主眼に、昨年同様無観客で五老山山頂に1本のみ点火する「松明建て」で行う。19日に市役所で開かれた実行委員会(実行委員長・橋本克也市長)で正式決定した。
八幡町町内会が主催する慰霊祭「八幡山衍義」は11月12日、昨年と同じく規模を縮小して山頂の岩瀬八幡神社でしめやかに行う。松明あかしは例年通り11月第2土曜日で、今年は11月13日に行う。
新型コロナ感染拡大状況が未だ収束の兆しを見せず、全国的・広域的な人の移動の自粛が要請されている。
松明あかしは県内外から10万人を超える来場者がある伝統行事であり、今後の状況についても不透明な中で、実行委員会としても「通常開催は困難」と結論し、昨年同様の実施手法を踏襲して伝統継承を目的とした最小限の行事を無観客で実施する。
密集・密接の防止対策として、一昨年まで参加を募ってきた大松明・姫松明行列、小松明製作コーナーと行列、松明太鼓やおもてなし広場、かがり火、のぼり旗、フードコートなどの催しは一切行わず、当日は五老山周辺の一般観覧は全て出来ないよう入山規制する。
御神火奉受は二階堂神社で丸宮会と実行委員会のみで行い、点火用の御神火はランタンに入れて関係者が五老山山頂まで運ぶ。
松明建ての大松明は昨年同様に松明をもりたてる会(佐藤貴紀会長)に製作を依頼し、当日の建て方や点火も同会が行う。ウルトラFMでの生配信やドローンでの航空撮影も検討している。
当日限定ではあるが、tetteでんぜんホールで過去の松明あかしの様子を撮影した記録映像を特別上映する。
実行委員会で橋本市長が新型コロナワクチン接種は65歳以上の希望者が今月末完了見込みで、今後は供給量に応じて積極的に実施する考えを示したが、「感染拡大につながりかねない全国的・広域的な人の流れが懸念される中で、松明あかしは県内外から多くの観光客が足を運ぶ行事。世代を超えてこれからも伝統行事を受け継いでいくためにも安全を再検討し、どのような形で開催すべきかを検討していきたい」と述べた。
議事は実行委員会役員と幹事の選任、松明あかし実施方法などで意見交換した。
今年の松明あかしは感染拡大リスクを最小限に抑えながら、400年余の歴史を守り、受け継いできた伝統行事を絶やすことなく継承するため、「松明建て」と無観客で実施する。
役員は次の通り。
▽副委員長=五十嵐伸、渡邉達雄、堀江祐介▽事務局長=大森英夫▽幹事=飛木孝久、緑川和幸、米倉攻、佐藤貴紀、森合重晴、伊藤平男、遠藤稔、安藤昭人、佐藤久幸、上妻秀男