東北学院大文学部歴史学科の佐川正敏教授とゼミ学生5人は8月2~5日まで、奈良時代から平安時代にかけて石背郡の貴重な資料が多数出土した国史跡上人壇廃寺跡の発掘調査に参加する。
岩瀬郡は古代、石背・石瀬、磐瀬と表記され、718年(奈良時代)に東北地方南部にあった陸奥国から石瀬国と石城国が分置され、石背国の中心が石背郡にあったと考えられている。
上人壇廃寺跡は同時期に創建された寺院跡。これまでの発掘調査で、全国的に類例が少ない六角形の瓦塔(がとう)や平安時代の金鼓や経軸端などが出土した。一辺約80㍍区間に南門・金堂・講堂が一列に並ぶ特異な伽藍配置でもあり、昭和43年に国史跡指定を受けた。
市は令和7年供用開始する駅西再開発事業に合わせて、上人壇廃寺跡史跡公園(仮称)整備を計画し、史跡整備に向けた発掘調査を今月から来月末までの予定で行っている。
東北学院大佐川ゼミの6人は、史跡整備にあたり遺構の表現・表示方法を検討するために必要な遺跡西側の確認を行う。
市は来月から4カ月間かけて世界測地系座標による遺構の位置把握と、AR・VR映像制作を想定したデータ収集を目的とした測量調査を行う。