大事に育てたトマトを収穫する児童たち
外国の子どもたちにランドセルを送る計画を進める稲田学園(小貫崇明校長)の6年生34人は28日、送料確保のために育ててきたトマトの収穫を本格的に始め、目標に向かってさらに一歩前進した。
昨年度に卒業した先輩が個人でランドセル支援に取り組み、作文として発表したことをきっかけに、現在の6年生たちが総合的な学習「いなだスタディ」の一環で自発的に進めている。
ジェイラップなど地元企業等の全面的な支援を受け、子どもたちはトマトを栽培し、収穫したものをドライフルーツに加工してもらい、学校祭「秋華祭」などで販売する。その収益金を神奈川県にある支援団体にランドセルを届けるための送料にする。
苗植えは5月31日に行い、児童らは当番制で交代に水を与えるなど世話を続け、生長を促してきた。ジェイラップは子どもたちの大切なトマトを守るため、ビニールハウスを設置するなど支援した。
念願の収穫を迎え、集まった児童らは真っ赤に育ったトマトに大喜びし、傷つけないよう慎重な手付きで実を切り離した。
まだ青いトマトも多くあるため、今後も成熟したものの収穫を続けていく。
収穫したトマトはジェイラップでドライ加工する。
参加した伊藤らんさんは「愛情を込めて育ててきたのでとてもうれしいです。夏休み中も当番の日は、父と一緒に来て水をあげたりしました。ドライフルーツの商品化も楽しみで、こういう気持ちも手紙に書いて、ランドセルと一緒に海外の子どもたちに届けたいです」と目を輝かせた。
また事前に試験収穫したトマトをドライ加工した試作品をジェイラップの伊藤美恵さんが届け、子どもたちが味見した。噛めば噛むほど美味しさが広がる食感に、大満足の様子だった。
橋本朗音君は「もっと酸っぱいかと思っていたけどすごく甘くて、みずみずしさもあって美味しかったです。これまで食べたトマトで一番美味しいです。これからみんなで相談して、商品のPRも頑張りたいです」と述べた。
ジェイラップの計測によると子どもたちのトマトの糖度は8・5度とメロン並みで、関係者も出来の良さに驚いているという。