相澤選手「忍耐」の走り 感動ありがとう

スポーツ

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    画面越しにエールを送った円谷ランナーズの子どもたち
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    温かい拍手でたたえる橋本市長ら
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    「晃コール」で背中を押した応援団

 東京オリンピック陸上競技男子1万㍍は30日、国立競技場で行われ、須賀川市出身の相澤晃選手(24)=旭化成=は28分18秒37で17位だった。レースを終えた後「日本男子長距離界は世界との差が大きいと実感した。世界と戦えるような力をつけて、(オリンピックに)戻って来たい」とさわやかな表情を崩さず、しかし瞳に闘志を燃やしながらインタビューに答えた。須賀川市役所などに集まり観戦した関係者らは「忍耐」を体現する走りで勇気と希望、感動を与えた相澤選手をたたえた。
 レースはややスローペースで始まり相澤選手は同学年で箱根駅伝などをともに競った伊藤達彦選手(23)=ホンダ=と集団の真ん中を位置取った。
 レース中盤から伊藤選手が苦しい表情を見せ集団から離されるも、相澤選手は位置をキープして走り続けた。後半で集団のペースが上がると徐々に後方へ離されていったが、最後までフォームを崩さず、懸命に走る姿を全世界に示した。
 相澤選手はレースについて「気温はそれほどでもなかったが、湿度が高く後半で体力を奪われた。しっかり自分がやれるところまで1万㍍を極めて勝負できるように頑張りたい」と述べた。
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 相澤選手の勇姿を応援するため、須賀川市内では関係者がオンラインで映像をつなぎ、活躍を祈った。
 市役所には橋本克也市長や円谷幸吉・レガシーサルビアの会長の安藤喜勝市体協会長、安藤昭人岩瀬郡市陸協会長、円谷ランナーズの水野武代表やコーチ陣などが集まった。
 相澤晃応援団(赤羽隆団長)は長沼商工会館をキー局に市役所やちから寿し、応援団メンバー宅など12カ所をオンラインでつないだ。商工会館には赤羽団長、相澤選手が少年時代に所属していた長沼ランナーズの安藤直一監督と金澤松芳元コーチらも駆けつけた。
 円谷ランナーズの子どもたちもZoomで接続し、市役所にモニター越しの一大応援団が形成された。
 関係者らは日の丸と応援ウチワを手に「頑張れ頑張れ、最後まで全力で」などの声援とともに「晃コール」を送り、最後まで走り抜いた若き英雄を温かい拍手でたたえた。
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 橋本市長「過酷で厳しいレースだったが、素晴らしい走りを見せてくれた。これからも相澤選手の活躍を信じ、市民をあげて全力で応援し続けたい」
 安藤喜勝会長「かなりきつい条件をよく走ってくれた。この経験を絶対に次に生かしてステップアップしてくれると信じている」
 赤羽団長「お疲れ様。感動をありがとう。皆さん応援ありがとうございました。本人も精いっぱい頑張ったことと思います。やはり世界は強い」
 安藤昭人会長「福島県、須賀川市らしい食らいつくレースで、『忍耐』の走りを見せてくれた。ふくしま駅伝の選手時代に『後悔だけはするな』と指導してきたが、きっと今回の経験をもとに次のオリンピックを目指してくれる」
 水野代表「中学時代の恩師である芳賀敏郎前代表も天国で『よく頑張った』と言っていると思う。私からも『お疲れ様、また頑張ろう』と伝えたい。ランナーズの子どもたちも相澤選手のオリンピック出場が励みになった」
 加藤将士円谷ランナーズコーチ「レース2日前に『どんな結果でも一生懸命頑張ってほしい』とメールしたら『子どもたちがオリンピックに夢を持てるような走りをしたい』と返してくれた。今は『胸を張って須賀川に帰っておいで』と伝えたい。オリンピックの大舞台で感動を与えてくれる力強い走りをみせてくれたことに感謝している」
 安藤直一監督「中学時代から大きな大会で記録を伸ばし、結果を残してきたので期待していた。暑いなかでよく走り抜いた。世界の強豪相手に堂々の良い走りだった。次のオリンピックではぜひマラソン代表を目指してもらいたい」
 相澤晃応援団「相澤は長沼の誇り。よく頑張ってくれた。最後まであきらめず感動した」

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