新病院改革プラン実績など報告
公立岩瀬病院新病院改革プラン第8回評価委員会は5日に同院で開かれ、昨年度の病院経営実績を総括し、今年度も感染防護策を徹底し、地域の中核病院としての役割を果たし続けていくために、経営改善・改革に取り組み、持続可能な安定的な健全経営を目指すとした。
同プランは平成29年度から令和2年度までを計画期間として、県が推進する地域医療構想を踏まえた同院の果たすべき役割として、地域包括ケアシステムの中心的な役割を担い専門性の高い医療を提供する集積機能を病院機能の中軸に据え、急性期病院として質の高い医療提供、地域医療支援病院を目指す、救急医療確保、周産期医療提供などを掲げている。
宗形充企業長が病院事業について報告し、令和2年度入院患者数は6万2320人(前年度比1万2415人減、病床稼働率61・2%)、外来患者数は8万5255人(6835人減)で前年度実績を大きく下回った。
コロナ禍の影響など深刻な影を落とした結果で、医療収益合計額は51億3223万円余(4億6855万円余減)となった。
一方で医療費用決算見込み額はコロナ対応経費がかさみ59億5464万円余(9784万円余増)で、医業損益の段階で8億2240万円余の損失を計上した。
医業外損益は2億8094万円余の収益を見込み、経常損益段階では5億4146万円余の損失で、今までにない大幅な損益計上となる見込み。
今期決算は感染症対応補助金などを特別利益として計上する予定で、最終年度純損益は利益計上となる見通しだが、本業のもうけを示す医業収益は非常に厳しい状況となった。
同プランについても、継続した取り組みの中で診療単価は入院・外来に目標値を上回る実績となるなど改善している項目もあるが、コロナ対策のために計画通りの取り組みが困難なことが多かった。
結果、経営指標にかかる数値目標である医業収支比率は86・2%(目標102・5%)。コロナ対応に関する補助金を加えた最終段階での総収支比率は108・5%の実績となった。
宗形企業長は「幸い今年度に入り患者数の回復傾向が続いており、コロナ禍にあっても地域の中核的公的医療機関として、しっかりと役割を果たしながら、経営改善の歩みを着実に進めていきたいと考えている」と述べた。