須賀川市の臨時議会は6日開会し、慣例の正副議長2年交代に伴う辞表が提出され選挙を執行し、投票により五十嵐伸議長、安藤聡副議長体制の継続が決まった。正副議長再任継続は平成17年4月以来。五十嵐議長は再選を受け「議員各位の意見を尊重し、中立公平公正な議会運営に努めていきたい」と述べた。
議長選挙立候補制は議会改革の一貫として令和元年9月から導入され、辞表提出を受けて届け出順に大内康司議員(81)=7期=、五十嵐伸議員(58)=5期=、加藤和記議員(71)=5期=が立候補を届け出た。
抽選で所信表明の順番を決め、五十嵐議員は議長職にあった2年間で台風19号やコロナ禍、霜、ヒョウ、局地的豪雨など様々な難局に対する議会対応を振り返り、今後も予断を許さない状況の中で、「近年多発する自然災害、新型コロナに対応すべく引き続き議長の重責を担い、中立公正な議会運営を心がけながら議員の皆さんとともに議会としての役割を果たしてまいりたい。議会運営のIT化を進めるとともに、改めて足元を見つめ直し、議会運営の効率化・議案審議を深める方策、委員会における調査活動の充実などを議員の皆さんと一緒になって検討を進めたい」と述べた。
大内議員はこれまでの議員活動を振り返り、「平成3年初当選議員8人で市民のために働く“みつばち会”を結成し、議会活動について勉強し政策目標達成のために活動してきた」とし、当時老朽化が著しかった公立岩瀬病院改築問題への取り組みとともに、「(改築なって)震災の際に市民の安全安心確保のために病院が十分な役割を果たせたことを誇りに思っている」とした。合わせて「市第9次総合計画策定などに十分目配りしながら、市勢の限りない発展と市民各位の幸せ向上に貢献していきたい」と述べ議員に理解と協力を求めた。
加藤議員は「前議長が再度立候補したことに驚いている」と前置きし、令和元年以降の議会運営を総括して「2年前、議長団は議員の合意を持って議会運営に努めると言っていたが、果たして実行できていたか甚だ疑問に思う。自らが合意形成を放棄するような場面があったように感じる」と痛烈に非難した。また立候補に際しては「市の財政ひっ迫に危機感を覚える。これまでの行政サービスを継続できるよう、当局が提案してきた予算措置をしっかりと目配りし、はっきりとNOを突きつけるくらいの気概をもたなくてはいけない。我々議員が意を一つにして一枚岩になって当局と対峙するために意識改革が必要だ」とし、続けて、前回(令和元年8月執行)の選挙が無投票になった理由を「選挙の時期が悪い」と断じ、「篤農家が多い須賀川市において、果樹・そ菜農家の収穫最盛期、米農家の一番重要な時期の選挙が無投票につながっている。国に要望して選挙の時期を統一地方選の4月に戻すための取り組みを議会自らの手で取り組んでいきたい」と訴えた。
選挙は単記無記名で投票が行われ、出席議員23人、有効投票数23で、結果は五十嵐議員13票、加藤議員9票、大内議員1票を獲得し、五十嵐議長の再選が決まった。
事前取材や会派構成などから、五十嵐議員は自身が所属する志政会のほか須賀川未来会議、日本共産党須賀川市議団から、加藤議員は所属する新政会、大内議員は自身の票を集めた結果と見られる。
続いて副議長選挙が行われ、安藤聡議員(50)=3期=13票、本田勝善議員(55)=3期=9票、無効票1票で安藤副議長が再選した。
臨時会は代表者会議を経て、各常任委員指名、議会運営委員の選任、須賀川地方保健環境・広域消防組合議会議員の補欠選挙を行い、専決処分承認を行い、専決処分承認を求める議案を審議した。