診療イメージを公開する阪場部長
公立岩瀬病院(土屋貴男院長)は8月から県南地区の総合病院としては初めて、皮膚疾患治療用レーザー治療器「ザ・ルビーZ1ネクサス」(JMEC社製ルビーレーザー)を導入した。7日に阪場貴夫形成外科部長が診療概要について同院で記者説明会を開いた。
これまでの軟膏治療を主にした処方からレーザー治療に変わることで、治療中にピリピリとした痛みはあるものの診療時間と回数を大幅に減少でき、最速で診療1回数分で終わる場合もある。
この治療器はメラニン色素が原因のシミやあざ(いわゆる黒ジミ)に効果があり、皮膚内部のメラニン色素を選択的に破壊することに優れている。
中でもルビーレーザーはその吸収特性から、よりきれいに、リスクを少なく症状箇所にアプローチできる。
この機器は特に酸化ヘモグロビンよりもメラニンに吸収される波長で、血管への熱ダメージも少なく、メラニンに対し鋭く反応する。これまでの治療で薄くなったシミや色素母斑をもっときれいにする効果が期待出来る。
病変部の状態に合わせた照射ができるため、正常な皮膚組織への侵襲の少ない治療が行え、保険診療では主に子どもの発症が多い太田母斑や異所性蒙古斑のほか、外傷性色素沈着症、扁平母斑などの疾患治療に適応がある。
ヘモグロビン異常が原因のいわゆる赤アザ治療には効果がない。
また保険診療外となるが、加齢による顔などの「シミ取り」治療にも効果があり、料金は1平方㌢あたり1万1000円となる。
レーザー治療のため実際の診療時には、医師、看護師、患者など診察室内の全ての人が目を光線から保護するための専用ゴーグルを着用するため安全面にも配慮されている。
治療後は副反応などを防ぐために、治療部位の刺激をしない(かさぶたをはがさない、こすらない、引っかかない)、紫外線対策を十分に行う(必ず日焼け止めを塗る)、医師の指導に従う(処方された薬を指示通りに使用する)を守るよう阪場部長は受診に際して注意してほしいと呼びかけている。
診療に関する問い合わせは同院(℡75―3111)まで。