役員らが戸別訪問で祝う 須賀川市の町内会敬老事業

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    記念品を受ける高齢者たち

 20日の敬老の日を中心に、須賀川市内の町内会では役員や組長らが協力し、高齢者宅を戸別訪問しながら敬老祝いの記念品を贈り、健康長寿を祝っている。例年は各地区の集会所などで様々な催しを行う敬老会を開いていたが、今年は新型コロナの感染を防ぐため、ほぼ全地区が敬老会を見送り、訪問して記念品を届ける形態を選んだ。
 このうち中宿川東町内会(石井忠一会長)は20日、役員らが中宿公会堂に集まり、組長に町内の高齢者に対する記念品を配った。組長は自分の組の対象者宅を訪れ、健康状態を確認しながら健康を祝った。
 同町内会では市全体の敬老会を開いていた頃から、町内会独自の敬老会を実施しており、伝統が今も続いている。「以前は調理した食べ物も渡していましたが、好みの問題もあるので今年から記念品を商品券にして自由に使っていただくようにしました」と石井会長。
 他地区と同様に町内会役員自体の高齢化が進んでおり、伝統の継承に向け今後対応を検討していかなければならない。しかし、石井会長をはじめ役員らは快活に談笑し、今回の代替行事の手際もスムーズで、まだまだ現役を感じさせる若々しさがあふれていた。
 市の住民基本台帳に基づく今年4月1日現在の地区別人口をみると、市全体の65歳以上高齢者は2万1603人(男9490人・女1万2113人)。全人口に占める割合は28・6%。
 地区別の高齢者人口と地区に占める割合は、須賀川地区5941人で29・07%、浜田地区1575人で34・58%、西袋地区4415人で22・61%、稲田地区1168人で31・46%、小塩江地区1218人で26・83%、仁井田地区1933人で24・26%、大東地区1766人で35・81%、長沼地区1878人で37・42%、岩瀬地区1720人で35・18%。
 市では15日現在で75歳以上の高齢者約1万人に敬老祝商品券3000円分を配布している。500円分の6枚綴りで、1枚あたり1日温泉券としても利用できる。商品券は市内約350店舗で使える。
 なお8月末現在の市内最高齢は108歳となっている。