「おくのほそ道」を写真と名文・名句で疑似体験 チャチャチャ21

文化

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    芭蕉の名句とともにおくのほそ道を訪ねる

 俳聖松尾芭蕉と弟子の曽良が元禄2年(1689年)3月27日(新暦5月16日)に深川を出立し、同年4月(新暦6月)に須賀川宿で7泊8日を相楽等躬らと交流した旅程を記した紀行文おくのほそ道を読み解く、NPO法人チャチャチャ21(大倉秀夫理事長)「おくのほそ道を20分で旅する」は26日、12人が参加して風流のはじめ館で開かれた。
 おくのほそ道は深川から白河の関、須賀川宿、松島、尾花沢から北陸を通り大垣まで約2400㌔を150日ほどかけて踏破した芭蕉の紀行文で、各地の名勝を訪ねた感想や情景、詠んだ60の俳句がつづられている。
 今回はコロナ禍でなかなか県境を越えての旅行などが出来ない現状を受け、会員らが過去に尋ねた主要行程で撮影した名勝の写真を編集し、本文の朗読に合わせて上映して画像で旅を疑似体験する講座を企画した。
 講師を務めた大倉理事長や佐藤秀治さんらはおくのほそ道の魅力の一つとして、須賀川で詠んだ「風流の初やおくの田植うた」や「世の人の見付ぬ花や軒の栗」などの名句だけでなく、松島や象潟などの情景や心情を記した名文の数々も素晴らしいと紹介した。
 著名な「月日は百代の過客にして~」の書き出しは李白の漢詩を模している、旅立ちの「行く春や鳥啼き魚の眼は泪」と大垣で最後に詠んだ「蛤のふたみにわかれ行秋ぞ」との春秋を組み合わせた完成度の高さを説明した。
 またおくのほそ道に出発する500年ほど前に没した西行と源義経を芭蕉が敬愛し、ゆかりの地を巡ることも旅程の目的でもあったとの学説を「笈も太刀も五月にかざれ帋幟」。「夏草や兵どもが夢の跡」、「一家に遊女もねたり萩と月」などとともに解説した。
 最後に芭蕉、曽良、等躬の3人が詠んだ歌仙にもふれ、当時の須賀川の文化水準の高さや江戸から連綿と続く俳句文化についても紹介した。
 なおチャチャチャ21は11月21日に風流のはじめ館を出発し等躬屋敷跡、神炊館神社、時雨塚、清水不動、十念寺など当地を代表する俳人ゆかりの地を訪ねる「須賀川の俳人」をめぐるツアーを企画した。締め切りは11月10日。参加無料。申し込みは安田さん(090―2367―4189)、大倉さん(090―4478―0296)まで。

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