練習ノートなど新規展示も 17日リニューアルオープン円谷幸吉メモリアルホール

スポーツ文化

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    生まれ変わったホールを内覧する橋本市長たち
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    メモリアルホールの全体図
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    円谷選手が五輪代表に選ばれた毎日マラソンの賞状も展示

 須賀川市の円谷幸吉メモリアルホールは17日、リニューアルオープンを迎える。練習ノート(一部初)や練習時の写真、オリンピック記念グッズなど新規展示12点を含む51点が、見やすく生まれ変わった館内に並ぶ。新たに企画展示スペースも設け、円谷選手の顕彰にとどまらず、次代のアスリートを応援する施設としての機能も備えた。
 同館は市が円谷家から平成18年に寄贈された円谷選手の関連資料を展示・保存し、活躍を後世に伝えていくため、平成19年1月7日に須賀川アリーナ内にオープンした。
 もともとアリーナのレストランを転用したものであったため、今年6月から9月にかけての改修工事で空調や遮光など資料保存に望ましい施設に生まれ変わった。
 また照明のLED化などのほか、円谷選手の活躍をテーマごとに追えるようレイアウトも変更した。
 入場口には栄光の旧国立競技場のものをイメージした真っ赤なゲートを備え、ゆかりある情熱のサルビアを想起させる。
 施設に入ると、「オリンピック出場までの足跡」として、円谷選手の生涯を解説するパネルや写真、ブロンズ像、駅伝や長距離、マラソンでの記録や楯、トロフィーなどが並ぶ。
 また駅伝やマラソンに対する考えなどを記した「マラソン競技者調書」の直筆を拡大したパネルや直筆のノートなどを展示した。
 脇に車イス用の昇降機がある小階段を上がると、57年前に使用した聖火トーチや聖火リレー参加メダル、今年7月に授与された名誉市民章や円谷選手紹介映像が見られるコーナーが広がる。頭上には円谷選手直筆の「忍耐」の書が掲げられている。
 東京オリンピックのマラソン銅メダルとシューズを両脇に備えるゲートをくぐると、東京オリンピック関連資料が並ぶエリアとなる。壁には首から銅メダルを下げ、右手を上げるおなじみの写真が出迎える。
 今回新たに拡張した企画展示スペースは入り口から右手にあり、現在は57年前と今年の聖火リレーの写真など関連資料や今年のオリンピックに出場した相澤晃選手の資料なども展示している。
 今後、地元関係団体などとの各種企画に活用し、円谷選手の顕彰やスポーツ振興に役立てる。
 また東京オリンピック銅メダルやポスター、円谷選手の足型など12点の資料にQRコードを設置し、読み取ることで解説音声を聴くことができる。
 ラジオ福島から提供を受け、円谷選手や親族の肉声を記録した音声も今後同様の手法で公開する予定。
 17日のリニューアルオープンに先立ち、橋本克也市長、安藤基寛副市長、市スポーツ振興協会理事長の森合義衛教育長が内覧し、報道陣に公開された。
 橋本市長は「偉大な先人を顕彰する場として整備できたことは大変喜ばしい。円谷選手を目標とする若いアスリートが成長を目指す出発点となるような企画も行える場にしていければ」と期待を込める。
 オープン初日は午前8時半から関係者が集いテープカットを行う。
 来館者には当面、円谷幸吉・レガシーサルビアの会から寄贈されたサルビアの種を配布する。
 開館時間は初日を除き午前9時から午後5時まで。
 施設利用の問い合わせはスポーツ振興協会(℡0248-76-8111)まで。リニューアルの問い合わせは市生涯学習スポーツ課(℡0248-88-9174)まで。