宇宙から帰還した牡丹の種を須賀川三小・中生が定植

地域振興教育文化

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    願いを込めて種を植える子どもたち
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    種の返還や宇宙フライト証書を受けた児童・生徒

 今年6月から7月にかけて宇宙を旅した須賀川牡丹園の「牡丹の種」は15日、須賀川市に返還され、種の採取に携わった須賀川三小と三中の代表児童・生徒らが園内に種を植えた。子どもたちは「宇宙を想像できる唯一の花として市の誇りにしたい」と期待に胸を膨らませる。
 東日本大震災から10年の節目に一般社団法人ワンアース(長谷川洋一代表理事)が企画した東北復興宇宙ミッション2021の一環。同事業は東北被災3県の自治体が寄せた記念品や感謝の言葉、写真を国際宇宙ステーションに打ち上げ、世界中に震災復興の感謝を伝えるもの。
 市は昨年8月に須賀川三小6年生2人、須賀川三中2年生と3年生各1人が代表して牡丹園で種を採取し、ほか約50自治体から集まった記念品とともに今年6月、宇宙ステーションに打ち上げられた。
 7月に地球に戻った記念品のうち、種は牡丹園で発芽処置を施し、今回の返還式に至った。
 式は須賀川三小6年の山本晃輔君、塩田華魁さん、須賀川三中3年の野沢嶺君、岡部恵那さん、ワンアースの長谷川理事長、甚野源次郎顧問、橋本克也市長、鈴木正勝市議らが出席した。
 長谷川理事長らが牡丹種を返還し、宇宙フライト証明書を手渡した。
 その後、牡丹園に設けた専用花壇に種約20粒を出席者らが心を込めて植えた。
 山本君は「普通より宇宙っぽく育ってほしい」、松谷さんは「須賀川でしかできない体験をさせていただきうれしかった。きれいに咲くのが楽しみ」、山本君は「普段意識しない宇宙を想像できる唯一の花として、これから市の誇りになってほしい」塩田さんは「牡丹は大きく堂々とした花。今回参加できて楽しかった」とそれぞれ感想を語った。
 橋本市長は「震災で被災した本市が今日こうしてあるのは、国内外から多くの支援をいただいたおかげ。その感謝を宇宙から伝えるチャンスをいただけたことはありがたかった。今回植えた種を、子どもたちの成長とともに見守り、大輪の花を咲かせるよう市民とともに守っていきたい」、長谷川理事長は「種は無事に戻ってきたが、ミッションの本当の意味はこれから始まる。被災支援の感謝を伝えるために、宇宙から戻った牡丹の花を贈れるのは須賀川だけ。これからも須賀川、宇宙、牡丹の物語を紡ぎ、次の世代へ伝えてほしい」と述べた。
 植えた種が開花するのは5、6年後とみられる。花壇には今後、看板を設置し、牡丹園の新たな見どころとして大切にしていく。
 また種を採取した際に撮影した写真が使われた横断幕も宇宙へ旅立ち帰還したが、11月にtetteでの展示を予定している。

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