子どもや地域住民の居場所づくり 市社協で事業推進へ受け付け

地域振興行政

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    kokoyoriの活動を楽しむ子どもたち

 須賀川市社会福祉協議会は市の委託を受け、今年度から「福祉の地域づくり推進事業」を開始し、こども食堂や地域食堂など地域住民が交流し、居場所となる場づくりを運営する団体の立ち上げや運営を支援している。
 事業開始から半年が経過し、担当者によると複数の問い合わせはあるが、立ち上げの段階まで至っていないのが現状だという。
 こども食堂や地域食堂は、子どもや障がい者、高齢者、生活困窮者、ひきこもりがちな人など、年齢や属性を問わず住民が交流でき、安心して過ごせるための居場所として、全国的に注目されている。
 市社協は関係機関との連携・調整、活動に必要な知識や情報の収集、ボランティアスタッフの募集・登録のほか、実施団体の運営費を一部補助する。
 市内唯一のこども食堂として平成28年から活動しているボランティア団体kokoyoriの熊田ひろみ代表は「支援をしたいという人も、支援を必要とする人もいますが、場所と資金の問題で立ち上げまでいかないと聞きます。また先頭に立って進めていく人がいないと難しいです」と話す。
 kokoyoriの場合、子育てなどをする中で自然に集まった7、8人のメンバーが、子どもの安心できる居場所があると良いと意見を一致させ、活動し始めた。
 活動拠点は集会所や賃貸スペースなど状況に応じて変更を余儀なくされ、現在はタルカワスタジオをベースにしている。
 またコロナ禍のため活動形態も変更し、毎週水曜日に子どもや家族にお弁当を渡す「放課後わらりら」のほか、農業体験、ゴミ拾い活動、フードパントリー(食材配布)と子ども服や学用品などのお譲り会を定期的に行っている。
 「お弁当形式にしたことで、ゆっくり会話したり遊んだりする交流の時間をつくれるようになりました。またその場で食事よりハードルが下がったようで、参加者も増えています」と熊田さん。実施する意義について「不登校の子や教室が合わない子もここでは全く別の表情をみせてくれるので、居場所として役立っていると感じます。また保護者同士の交流もできる場所になっています」と手応えを伺わせる。
 課題は「他地域のこども食堂でも同様ですが、支援を本当に必要としている人に、どのように届けられるかという点で、できれば市内各地区で同じような取り組みが広がればいいと感じます。また場所の確保に費用と予約などの負担がかかるのは長期的に厳しく、町内会や行政とそうした点で連携できたら助かります」とした。
 こども食堂・地域食堂などの開設・運営支援の問い合わせは市社協(℡88―8211)まで。