玉鋼を鍛える藤安さんたち
須賀川市立博物館の企画展「刀剣と刀装具」は連日多くの人でにぎわいをみせている。31日から毎週日曜日の「現代刀匠による実演」もスタートし、初回は刀工の技をひと目見ようと見学客が集まり、真っ赤に熱された玉鋼を鍛える様子に拍手が上がった。
日本美術刀剣保存協会県南支部の共催。「これほどの資料が一堂に会する機会は全国的にもめったにない」と市内外から多くの愛好者が足を運び、30、31の両日には約500人が来館した。
会期中の目玉の一つである「実演」は21日まで毎週日曜日、午前10時半から屋外で刀工・藤安将平さんと弟子が玉鋼の鍛錬を行っている。
炭で真っ赤に熱した玉鋼を藤安さんが小槌で先導して叩き、3人の弟子が大鎚で後に続くと、敷地内には「トン、カン」と心地よい音が響き、見学客を魅了した。
作業最中に質問コーナーも設け、「年間何本くらい鍛えるのか」「よい刀とはどういうものか」などが寄せられた。
藤安さんは「法的に年間24本しかつくれません」、「日本刀はただ敵の命を奪うだけのものでなく、大きな力で国や家を守ろうという『お守り』としての意味合いを持ち、そのため一点の曇りなく鍛えなければなりません」と丁寧に答えていた。
実演は藤安さんが毎週行うほか、7日は鞘師・塚本剛之さん、21日は白銀師・溝井辰美さんが技をみせる。時間は午前10時半からと午後1時半から。
開館時間は午前9時から午後5時まで。観覧料は大人200円、大学・高校生100円、中学生以下と65歳以上、障がい者手帳所持者は無料。休館日は月曜日と祝日の翌日。3日の文化の日と、13日の松明あかしの日は観覧無料。
問い合わせは同館(℡0248-75-3239)まで。