公開されたミニチュア補修 4体の怪獣とともに記念撮影
ウルトラマンZメイン監督としても知られる田口清隆特撮監督、特撮誌ライター・映像演出の島崎淳さんらと若手クリエイターらは4日から7日にかけて、市ながぬまラボ(旧屋内ゲートボール場)で自主制作怪獣映画4作を撮影した。5日撮影風景を報道陣に公開し、作品は21日から静岡県熱海市で開催される第4回熱海怪獣映画祭で上映する。
須賀川市は第8次総合計画で「特撮文化拠点都市の構築・発信」を文化事業の一つに掲げ、円谷英二監督が礎を築いた「特撮」を世界に誇る文化として発信する活動に力を入れている。
今回は田口監督と島崎さん、井上森人さん、名久井晨さんが中心となり若手クリエイターらが動画投稿サイトYouTube公開中の「UNFIX」、「NONSTOP」、「温泉防衛バスダイバー」、「ガンキリュウ」の一部シーンを撮影した。
ミニチュアなどは須賀川特撮アーカイブセンターで保存しているセットを活用し、同所スペースを利用して1日から修復作業を開始。その風景は3日の開館1周年イベントでも特別公開し、来場者の注目を集めていた。
映画にはこのために制作したオリジナル怪獣「ズグジグザクラ」や「ガンキリュウ」が登場し、市街地をかっ歩する様子や戦車からの砲撃を受けてのけぞるシーンなどを撮影した。
田口監督はじめ、参加したクリエイターらはそれぞれの映画の場面に登場する怪獣の動きを試行錯誤を繰り返しながら入念に確認していた。
田口監督と島崎さんは「須賀川市は円谷監督の出身地で、まちをあげて特撮を応援してくれる素晴らしい土地」と絶賛し、「アーカイブセンターはじめ、特撮に関するパッケージが整っているので、来年度以降は特撮関連のワークショップなどができれば」とも取材に答えた。
また文化としての特撮について、「伝統技術」ではなく、「現在進行系の技術」として若手に継承していきたいと持論を述べた。
今回のながぬまラボを利用した特撮映像撮影は、NHK大河ドラマ「いだてん」撮影以来2回目。田口監督らが全国の若手クリエイターを集めて、自主制作怪獣映画を撮影している情報を得て、今後の人材育成に活用するための教材用映像資料として、映画作成を依頼する形で実現した。