コイを放流する役員たち
阿武隈川漁業協同組合須賀川支部(鈴木裕支部長)は21日、乙字ケ滝付近や須賀川市稲の雨女子、堰下の3カ所に計350㌔のコイを放流し、原発事故以前のような釣りのメッカに戻るよう願った。
阿武隈川水系の漁業は原発事故の影響で約10年間中止を余儀なくされていたが、その間も各支部がモニタリング調査を続けるなど、一日も早い漁業再開に向け活動してきた。
特に同支部は他支部にも手を貸すなど活発な活動を続け、今年4月から約10年ぶりに、福島市の信夫ダムを隔てて上流域ではアユ、コイ、ウグイ、イワナ、フナ、下流域ではアユ、コイ、ウグイが解禁となった。
21日の放流は鈴木支部長ら役員が参加し、丸々と太ったコイを河川に放流した。
このうち乙字ケ滝付近の阿武隈川には250㌔ものコイを放った。鈴木支部長によると、付近は震災以前、コイ釣りの名所として雑誌にも取り上げられたほどで、県外からも多くの釣り人が訪れていたという。参加者らと「この10年はもったいなかった」と口にしながら、川に放たれ元気に泳ぐ姿に目を細めていた。
なおコイ釣りを楽しむには同支部から遊漁券を購入する必要がある。組合の新規加入や、川で釣りを楽しむための遊漁承認手続きに関する問い合わせは鈴木裕須賀川支部長(℡080―5562―4563)まで。