昨年10月に復元再建された本町歌舞伎屋台
須賀川市本町町内会(近藤次雄会長)が日大工学部建築学科と連携して、昨年10月に半世紀ぶりに再建した「本町歌舞伎屋台」を26日から来年1月9日までtette1階で一般公開する。
公開初日は午前11時と午後2時に舞台上で雅楽演奏を披露するほか、今月2日から12日まで、学生が作成した実物10分の1のミニチュアを同会場で先行展示する。
同町内会と同町歌舞伎屋台保存会によると、本町歌舞伎屋台は町民娯楽の場として、明治23年に製作し、翌年の須賀川耐火で一部損傷したものの、同30年に一部復元して須賀川秋祭りでお披露目した。
同33年に町内住民の寄付により彫刻を含めて完全復元、中近笠鉾(なかちかかさぼこ)4本のほか、大工職池浦鶴松作の緻密で大胆な彫刻が施され、同39年には屋台歌舞伎興業をにぎやかに催した。
昭和43年の旧118号線開通記念のお披露目が最後であり、昨年の再建まで同町内の収納蔵に半世紀ほど解体した状態で保存されていた。
高さ6㍍幅5㍍、奥行き7㍍の大きさがあり、1本の主軸が舞台で回転する「廻り舞台」で、左右に芸座を一つずつ付設できる。歌舞伎上演中は前舞台の柱2本を取り外して大きく利用できる仕組みがあり、全国的にも類を見ない構造を持つ。
歌舞伎屋台の補修は昨年9月から日大生や星野工務店の協力で部材実測と図面再現から始まり、現存する写真なども少なく、収納蔵に保存された186の部材の組み立てには1カ月を要した。
須賀川秋祭りなどでのお披露目を計画していたが、コロナ禍でこれまで叶わず、町内会では市民への公開を企画した。
本町歌舞伎屋台の一般公開は期間中午前9時から午後7時までいつでも観覧でき、多くの来場を呼びかけている。