美しいトランペットの音色を故郷に響かせる川田さん オーケストラと共演した中学生たち
須賀川市文化センターリニューアルオープン記念特別演奏会「東京フィルハーモニー交響楽団須賀川公演」は12日に開かれ、市出身のトランペット首席奏者川田修一さんが主役のハイドン「トランペット協奏曲」など演奏したほか、須賀川二中吹奏楽部と共演し、アンコールでは「須賀川市歌」をオーケストラサウンドで披露し、会場を盛り上げた。
耐震改修工事を終え、9月に再開してから初のクラシックコンサートとなる。
休館直前の自主事業でもタクトを揮った三ツ橋敬子さんの指揮で、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲や「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を奏で、弦楽が織りなす美しいハーモニーで、ほぼ満席となった客席を魅了した。
川田さんが登場するとひときわ大きな拍手で市民らが出迎え、ドボルザークの「トランペット協奏曲」と「月に寄せる歌」を柔らかく繊細で、ときに力強いトランペットの卓越した音色で演奏した。
川田さんは「文化センターは小中学校のコンクールや学校行事でもよく使った思い出の場所。東京フィルとの演奏を、顔を見知った市内の皆さんや親族にもここでこうして聴いてもらえて、感無量です」と頭を下げた。
後半はレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」、交響詩「ローマの松」を大編成で奏でた。
「ローマの松」の「アッピア街道の松」では須賀川二中吹奏楽部のトランペットとトロンボーンの6人がバンダとして舞台袖から共演し、川田さんらとともにハーモニーを披露した。
トランペットで参加した添田さくらさん(2年)は「初めてプロの方々と演奏し、隣から聴こえてくる川田さんの音色に圧倒されました。貴重な体験ができてうれしかったです」と感激していた。
最後に「須賀川市歌」を演奏し、市民らも歌声や手拍子で参加するなどして音楽に酔いしれる一日を締めくくった。
特別招待された約200人の市内小中学校の音楽部員らも感動した様子で目を輝かせていた。