オープンを祝う関係者のテープカット 貴重なポスターなどが並ぶ展示会場 「シン・ゴジラ」ジオラマなどを見る関係者
須賀川市が誇る“特撮の神様”円谷英二監督の偉業を貴重な史料などで紹介する「生誕120年 円谷英二展」は、18日から市文化センター小ホールで開幕した。監督デビューから晩年までを全5章構成でスチール写真やポスター、一部映像などで振り返る。
須賀川市、国立映画アーカイブ主催、円谷プロダクション特別協力。第5章は須賀川展オリジナルの内容を紹介した。
円谷監督は明治34年に須賀川市(当時須賀川町)で生まれ、18歳で映画界入りしてから様々な撮影技術を生み出し、仲間とともに生み出した特撮技術は国内外の映画やテレビに多くの影響をもたらした。
今回の展示は監督の生涯を功績と年代ごとに追体験出来るように、第1章「若き映画キャメラマン」、第2章「特撮の志」、第3章「東宝特撮の時代」、第4章「円谷プロの創設」、第5章「現代に受け継がれる円谷英二」で構成する。
若手キャメラマンとして撮影し、英国でフィルムが発見された幻のトーキー作品「かぐや姫」(昭和10年)の短縮版なども特別公開するほか、市内在住の怪獣造形作家酒井ゆうじさん作の「モスラ対ゴジラ」の造形なども展示している。
第5章は須賀川完全オリジナル展示で、監督没後から主に1970年代から90年代にかけて、様々な映画作品に受け継がれる“円谷イズム”を国内作品のポスターや撮影で使用した戦闘機やウルトラマン人形、平成28年公開の映画「シン・ゴジラ」で実際に使用したオフィスジオラマも再現された。
また円谷監督が戦後立ち上げた「円谷特技研究所」ゆかりの佐川和夫さん、現代に特撮を受け継ぐ樋口真嗣監督、三池敏夫さん(特撮研究所)らの紹介コーナーも設けられた。
オープニングセレモニーで橋本克也市長は「円谷監督が作品に込めた想いや遺志を多くの人に楽しんでもらいたい。これからも須賀川は特撮文化を世界唯一の誇りとして受け継いでまいりたい」、監督親族代表の円谷誠さんは英二監督が少年期に書き記した書き初めを同展で特別展示したことなどを紹介し、「今回の特別展をきっかけに、英二さんの気持ちが皆様に伝わればと願っています」とあいさつした。
五十嵐伸市議会議長、岡田秀則国立アーカイブ主任研究員、北澤淳子円谷プロマーケティング本部ゼネラルマネージャーら関係者5人がテープカットしてオープンに花を添えた。
初日はゲストとして樋口監督と三池さんも会場に駆けつけた。
円谷英二展は来年1月30日まで午前10時から午後5時開場、休館日は毎週月曜日と年末年始。観覧料は高校生以上500円、65歳以上、中学生以下、成人式当日のみ市内新成人は無料で見られる。
会場出口近くではウルトラマンやゴジラ関連グッズの販売コーナーもあり、中町のすかがわ観光物産館flattoでもらえる引換券を同コーナーに持参すると先着1000人にウルトラの父指人形をプレゼントする。