「本町歌舞伎屋台」組み立て始まる 26日から一般にお披露目

文化

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    組み立て作業が始まった歌舞伎屋台

 半世紀ぶりに再建した須賀川市本町町内会(近藤次雄会長)の「本町歌舞伎屋台」は26日からtetteで一般公開するが、組み立て作業が20日から始まり、全高6㍍超の巨大な威容が来館者の注目を集めている。
 「本町歌舞伎屋台」は明治23年に町民娯楽の場として作られたが、翌年の須賀川大火で損傷した。同30年に損傷部分を復元して須賀川秋祭りでお披露目した。
 町民有志の寄付により明治33年に彫刻を含めて完全復元し、中近笠鉾(なかちかかさぼこ)4本などに、同町在住の大工職池浦鶴松が緻密で大胆な龍などの彫刻を施した。
 高さ6㍍、幅5㍍、奥行き7㍍の巨大屋台で、1本の主軸で舞台が回転する「廻り舞台」と左右に芸座を一つずつ装着できる、全国的にも類を見ない構造で、上演中は前舞台の柱2本を取り外して大きく見せることができる。 
 明治39年の屋台歌舞伎興業をにぎやかに催し、その後も秋祭りなど町内の催しで披露されてきた。
 昭和43年の旧国道118号線開通記念のお披露目が記録に残る最後で、町内の収蔵蔵に解体した状態で保存されてきた。
 町内会では復元出来ないかと数年来、屋台保存会を立ち上げて協議を重ね、日大工学部建築学科の協力を得て、昨年9月から約1カ月半かけて、保存された186もの部材を組み立てた。長沼の星野工務店も協力し、部材実測と図面再現から始め、現存する数少ない写真をもとにした再建は困難を極めた。
 昨年10月に一般公開にこぎつけ、須賀川秋祭りなどでのお披露目を計画したがコロナ禍で叶わず、26日から披露する。
 歌舞伎屋台は再建現場も一般公開しているが、足場を組んでの作業になるため安全には十分気をつけてほしいと呼びかけている。
 公開初日は午前11時と午後2時に屋台舞台で雅楽演奏を披露する。日大生が製作した10分の1のミニュチュアも展示する。
 歌舞伎屋台は1月9日まで、午前9時から午後7時まで観覧出来る。

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