映画の撮影に臨む子どもたち
天栄村の「こども映画学校2021」は25日から3日間、村内の小中学生17人がプロの指導を受け、脚本・出演・撮影も自分たちで行い、村の魅力や環境保護の重要性などをテーマにした3本の映画を完成させた。
村教委の主催、東京都の映像制作会社の楽映舎、福島こどもみらい映画祭実行委員会の協力。
キャリア教育や郷土愛を育むための新たな試みとして企画した。また少子化が進み、学校の統合など検討も進めているが、現在の子どもたちの記録を後世に残すことも目的。
17人は3班に分かれ、涌井の清水や河童淵などを舞台に古くから伝わる伝承を謎解く作品や、未来の子どもたちが現在の村の食の魅力から自然保護の大切さを学ぶ作品など手掛けた。
湯本班は小中学校の全校生6人が参加、今年7月に計測して太さ日本一とわかった同地区のミズナラ「こぶなら」保存や雪不足などの自然環境をテーマに取り上げ、雪不足のため雪合戦大会が中止となり、子どもたちが落ち込んでいたところ、不思議な力を持つ「こぶなら」が雪を降らせる。しかし「こぶなら」はナラ枯れ病の危機に瀕しており、それを知った子どもたちは樹木医など自然を守れる人になると誓うストーリー。
感情を上手く表現する方法や機材の使い方などを教わり、26日から積もった雪も作品に取り入れるなど工夫を凝らした。
星葵さん(湯本中2年)は「小学生と協力し合って作品を作れてよかった。作品を見て、『こぶなら』や自然について深く考えるきっかけになれば」と述べた。
また急きょ出演した高橋哲也湯本小校長は「子どもたちの強い郷土愛が感じられ、これまでの自然学習が根付いていると実感した。作品は次年度以降のSDGs学習などに活かしたい」とした。
27日に文化の森てんえいで発表会が開かれたほか、新地町で行われる「福島こどものみらい映画祭」に出展する予定。
出来上がった作品はDVDに保存し、各学校に配布する。