須賀川市出身の渡邉監督 新作映画を市内などで撮影 震災や原発事故の報道を問う

地域振興文化

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    市内などで撮影に臨む渡邉監督(中央)

 須賀川市出身の若手映画監督・渡邉裕也さん(29)は東日本大震災・原発事故における報道のあり方などを問う新作映画「四角の中の人々(仮)」を須賀川市内などで撮影し、来年春の劇場公開を目指し制作を進めている。
 渡邉さんは東京の若者が震災・原発事故に向き合う農家らと触れ合うことで成長する姿を描いた前作「ハッピーアイランド」(2019年劇場公開)で監督としてデビューした。
 同作は2015年に須賀川市内で撮影し、ドキュメンタリー的要素として実際に市内の農家や農業関係者から「生の声」を聞くシーンを取り入れ、四万十映画祭長編部門グランプリなど国内の映画祭で高い評価を得た。
 しかし渡邉さんはそうした「生の声」を撮影し、編集していく中で、現実の人々の言葉や思いを作品に合わせて取捨選択する行為に自分自身のエゴがどうしても現れてしまうと感じたという。
 また震災・原発事故を扱う報道にも真実より視聴率が取れるドラマティックな内容に重きを置く姿勢を感じ、新作では引き続き福島県を舞台に「報道のあり方」、「自分のエゴで行動していないか」、福島の報道として「伝えていない重要なこと」をテーマに取り上げた。
 主人公は東京在住の映像ディレクターで、3・11のインタビュー映像を制作するが、悲劇的な編集を求める局側と、それを望まないインタビュー対象者との間で葛藤する姿を描く社会派映画。
 主演は濱正悟さんで、成海唯さんや萩原聖人さんらが出演する。
 文化庁の「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業」(AFF)の補助を受け、12月27日から30日まで県内外で撮影した。
 このうち29、30の両日はホテルサンルート須賀川や市内の路上でも撮影した。
 渡邉さんは「完成したらぜひ市内でも上映したい。知っている場所も出ると思うので、楽しみにしてほしい」と述べた。
 作品は今年、複数の映画祭に出品する予定。

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