31日まで「本町歌舞伎屋台」 有我すずなさん描くイラスト展

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    「陶の土」に登場する歌舞伎屋台を描いたイラスト

 中央図書館の特別展「漫画家・有我すずなさんが描く本町歌舞伎屋台」は31日まで、tetteメインライブラリーで開かれている。須賀川出身の女流作家水野仙子作「陶の土」に登場する屋台を描いたイラスト3点を展示している。
 水野仙子は本町出身の明治・大正期の作家で、兄で歌人・国文学者の服部躬治、ライ病患者の看護に一生をささげた服部ケサとともに「服部三兄妹」として今も知られる。
 仙子は少女時代から雑誌投稿し、田山花袋に認められ上京して弟子になった。作品は短編・中編が多く、当時の須賀川を舞台にした作品が多い。「陶の土」も30ページほどの短編作品。神炊館神社秋季例大祭の本町歌舞伎屋台で歌舞伎「千代萩」を上演する様子を地元の言葉を交えながら生き生きと表現している。
 「陶の土」は仙子没後(大正8年)の翌年に田山花袋の序文、有島武郎の跋文(ばつぶん)、岸田劉生の装丁、川浪道三の編集で72編余の作品から22編を選び叢文閣から出版された「水野仙子集」に収められている。同書は中央図書館で閲覧できる。
 有我さんも須賀川出身で、2007年頃から水野仙子について調べ、漫画やイラストを制作発表している。
 本町歌舞伎屋台は同町町内会と日大工学部が協力して半世紀ぶりに再建し、昨年末から今月9日にかけてtetteで特別展示した。
 今回特別展示した有我さんのイラストは、往時の屋台でにぎやかに歌舞伎を上演し、多くの地元住民らが夢中で楽しむ様子が描かれている。
 実際の歌舞伎屋台は「本」町の提灯を飾ったが、作品では「元」町表記のためイラストもそれにならった。
 本町歌舞伎屋台は明治23年に作られたが、翌年の須賀川大火で一部損傷し、同30年に一部復元して須賀川秋祭りで改めてお披露目した。
 明治33年には町民有志らの寄付により、微細で鮮やかな彫刻を含めて完全復元し、高さ6㍍、幅5㍍、奥行き7㍍の威容が完成した。舞台部分は一本の主軸で360度回転する「廻り舞台」で全国的にも類を見ない珍しい特徴を持つ。